国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

木造阿弥陀如来坐像 法界寺

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京都市の南のはずれ、宇治へ行く途中にある六地蔵駅からバスで十数分。法界寺は親鸞聖人誕生の地として知られている日野にある。この地は日野家の領地で、鴨長明の住処に選んだ地であった。

日野家摂関政治により隆盛を極めた藤原北家の一族。その流れを受けて1051年、もと文章博士で後に出家した日野資業が、薬師如来を安置する堂を建てたのが法界寺の始まりである。末法思想を受けた平等院などの流れを汲んで、阿弥陀さまもお祀りしないと作られたのが、国宝の木造阿弥陀如来坐像である。定朝様式の典型的な仏像である。

阿弥陀如来はこれも国宝の堂内に安置されいるため、拝観料を支払わないと見ることができない。拝観料を払い中に入ると、大きな阿弥陀如来座像が鎮座している。平等院阿弥陀如来とは兄弟のような容姿で、法界寺の仏像は360度どこからでも見ることができる。また、観光地化されていない分、拝観者はほとんどいない。まるで法隆寺平等院なら、法界寺は法起寺ぐらいゆったりしている。光背の天女たちや、足元の蓮の花など、巨大ではあるが丁寧に作られている部分もじっくりとマイペースで見ることができるありがたいお寺である。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。