新選組展で賑わう京都文化博物館では常設展で陽明文庫の名宝12を開催していた。新選組は見ずに陽明文庫だけを見に行ったが、ガラガラだったのが残念だった。
陽明文庫は五摂家の筆頭にあたる近衛家に伝来した史料を保存するために創られた。近衛家の遠祖にあたる藤原道長の御堂関白日記が有名だ。
京都文化博物館ではたびたび陽明文庫の名宝を企画して、定期的に開催している。御堂関白日記はたびたび特別展へ出品されているので見る機会はあったが、今回は後二条殿記も出品されていた。内容は藤原師通による日記である。師通が書き記したのは内大臣に叙されてから、関白在任中の38歳で病没する数日前までとなっている。30巻が残っているが、自筆で残っているのは1巻のみで、あとは写本である。応徳元年巻を展示していた。この国宝の日記類の特徴として、歴史的資料価値の高さは抜群なのだが、工芸的美術価値はあまり高くなく、書かれている文章の訂正など生々しさが分かるものとなっている。