国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

寛平御時后宮歌合 伝宗尊親王筆

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東博の国宝室では寛平御時后宮歌合の展示があった。

1200年前に行われた歌会の記録。左右1首ずつ組み合わせた短歌の優劣を競う行事で、日本人は紅白歌合戦のようなことを昔からしていた。歌会の記録では2番目に古いものだが、紙が茶色く色褪せているぐらいで巻き物として十分読むことができる。

歌合は近衛家が大切に保管されてきたもので、陽明文庫と前田育徳会に別巻が保管されている。平安時代に藤原家が栄華を極めたのは日々の出来事の記録を取り、伝え続けたことが大きいと思う。それが政治や文化など幅広く情報収集しているのが凄い。この巻物を読むだけで当時の最新のエンターテイメントが現代に蘇る。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。