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【仏法東帰】金光明最勝王経 奈良国立博物館

大徳寺から北大路バスタターミナルまでの便は頻繁に出ている。北大路駅すぐには大谷大学があり、博物館では仏法東帰というテーマで展示会を行っていた。

大学の博物館は独立した建物として大々的に構えるものも増えているが、大谷大学は構内の施設内に置いている。守衛で受付を済ませて、一番近い建物へ向かう。建物の入り口付近には図書館があり、そのすぐ奥に博物館があった。受付で500円払って中に入る。部屋は元は一部屋だったものをコの字型で使用。導線が分かりやすく、展示も容易な形となっていた。展示点数はそれほど多くなく、じっくり見ても20分程度で見ることが出来た。

仏法東帰ということで、日本に伝わってから一番最初のムーブメントの記念事業である大仏開眼が第1テーマで東大寺関連の資料があった。その流れに乗って第2のテーマである仏教公伝では国分寺に安置されていた国宝の金光明最勝王経を展示。広く伝えるために使用されていた実物が1300年近く経っても完品として残っている。茶色い紙に金字で丁寧に書かれた経典は国家安寧のための国家事業だから為せた芸術品。識字率が高くない時代でも、美しさは分かる仕上がりとなっている。

そして、日本書紀には、仏教国の誕生前夜の政権を書き記している。第三部となる聖徳太子信仰と聖武天皇につながる資料で、聖徳太子蘇我馬子三宝(仏法)の興隆を命じる詔を載せており、聖徳太子が日本での仏教を広める役割を果たしたことが分かる。

2022年は、仏教公伝1470年、聖徳太子没後1400年、大仏開眼1270年という年だから企画された展示会。東本願寺が寺院子弟教育のために設置した学寮から始まる大学だけあって、逸品ぞろいの展示会だった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。