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【東博150年】梨地螺鈿金装飾剣

町田久成が書いた「博物局」

第1会場の鑑賞を終えて、ミュージアムショップブレイク。特別展ではオリジナルグッツが大量に販売されるので、買い物客でごった返すことが多い。その対策として一人1回の購入のみに限定にすることで混雑回避していた。しかし、どれも値付けが若干お高くなって、手が出せそうなクリアファイルも他の展示会で沢山買っているので悩ましい。

購入は後回しにして、今回の展示会の目玉陳列である東博所有の国宝刀19振すべて一堂に展示する部屋と入る。ここがお目当ての刀剣女子たちが滞留しているため、結構な混雑ぶり。あれも、これもと日本刀を見ている影のみが見える中で、一番奥の展示スペースが空いていた。

ここには装飾系?の刀たちが展示されていた。梨地螺鈿金装飾剣や群鳥文兵庫鎖太刀 刀身銘一で、豪華さで言うとこちらが注目されてしかるべきだ。実践向きではないが、その当時の贅沢の限りを尽くして拵えたものである。

梨地螺鈿金装飾剣の真骨頂は鞘。キンキラキンの金物が覆う中にあって時折見える下地は梨地。その梨地には尾長鳥の螺鈿細工が施されている。朝廷の儀式のときに正装した高位の公家が帯びた剣で、装着には天皇の許可が必要なぐらいの高級品である。

刀の間の混雑を抜けると、東博150年の歴史に沿った展示となる。東博が出来た時に掛けられていた町田久成揮毫の「博物館」の看板もあった。本館には同じく町田久成揮毫の博物局の書が展示されていたが、特別展を見てから本館のものを見ると感慨深い。

東博の成り立ちとして寄贈による蒐集や、開館当時はキリンのはく製も収集対象だったなど、150年の変遷を展示物とともに解説していた。東博150年展は始まったばかり。あと1回は観に行きたい。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。