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【東博150年】プレス発表

東博

国宝 東京国立博物館のすべてのプレス発表が行われた。事前の案内の通り、東博が所有する国宝すべてを展示する第1章、東博150年を3期に分けて紹介する第2章の2部構成となっている。

東博の歴史イコール日本博物館史といっても過言ではない。その歴史を紹介する第2章も興味をそそられる。それ以上に何と言っても第1章の国宝保有数日本最多の東博がそのすべてを公開するのだから楽しみで仕方がない。ただ、以前からの懸念はそれぞれの国宝たちの公開期間がどうなっているかであった。その答えがこのプレス発表で明らかになった。最近の展示会では1か月前になっても詳細を知らせないことが多く訪問日程に苦慮していたが異例の速さである。予定が立てやすくなった反面、秋が忙しくなることが確定してうれしい悲鳴を挙げている。

国宝の展示についてまず、展示会は10月18日から12月11日までの8週間。そのすべての期間に展示されるのは、考古分野と刀剣、それと法隆寺献宝物の一部だ。考古や法隆寺関連はそれぞれのコーナーで現在も展示されつづけているので、当然と言えば当然。刀剣もかなりの頻度で展示があるが、一度にすべての国宝刀剣が観ることができるのは超レア。刀剣女子たちにとっても最高の展示内容のため混雑必至なので通期で展示はありがたい。

展示期間を2週で仕切り、10月18日~30日がⅠ期、11月1日~13日がⅡ期、11月15日~27日がⅢ期、11月29日~12月11日がⅣ期とする。多くのものが前期と後期で入れ替えなのだが、1つの期しか出ないのが数点ある。まずⅠ期のみが平治物語絵巻と松林図屏風。Ⅱ期のみが一遍聖絵、Ⅲ期のみはなく、Ⅳ期が普賢菩薩像と観楓図屏風、変則でⅡ期とⅢ期が檜図屏風となっている。これを見る限り屏風がそれぞれ、絵巻物が前期は平治→一遍の流れで後期に地獄草紙・餓鬼草紙が入れ替えとなりそうだ。普賢菩薩像の展示入れ替えが謎として残る。

前期後期での入れ替えでは、絵、書跡、東洋絵画、漆工がそれぞれ半期で入れ替えとなっている。入れ替えが前提なので、別の企画での登場に期待が高まる。まずは同時期にMAO美術館で開催された大蒔絵展の巡回が三井記念美術館で行われる。前期には被るものの場所が近いこともあり、東博と三井の漆工の巡回コラボ(とくに後期組が三井へお出ましすること)に期待したい。また、東博の東洋館の秋と言えば、毎年、国宝の中国の書跡などを展示している。時期が丸被りなので企画が変わるかもしれないが、開催されるのならば東博所有以外の渡来の国宝出品を期待したい。

最後にこの展示会以降のことだが、三の丸尚蔵館所蔵品の全国行脚や松涛美術館奈良国立博物館の所蔵品展が開催されているが、それに倣って東博にも全国で巡回を企画してほしい。ネットなどでオンラインでの情報は充実するがリアルな体験がその分なくなってきている。150年の節目を機会に、誰もが見たことがある身近なトーハクを実現してほしい。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。