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【奈良博三昧】尺牘 (久隔帖)  最澄筆

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今年は伝教大師最澄の遠忌1200年に当たる年で、秋から来春にかけて東京・九州・京都の国立博物館を舞台に巡回展が開催される。仏教の殿堂としての奈良博ではあるが、最澄が建立した延暦寺は京都にあり、開催場所とはならなかった。

しかし、奈良博は伝教大師の書で現存唯一の直筆書である尺牘 、通称・久隔帖を保有している。813年に愛弟子の泰範へ宛てた手紙で、この不詳の弟子が空海の元へ行ってしまったので、久隔清音(久しく御無沙汰を)の書き出しから通称が採用された。

遣唐使として最澄は正規の僧侶で、空海は通訳で大陸に渡り、立場としては上だったが、空海がもたらした密教を学ぶために自身が忙しいため泰範を派遣したために、師弟の仲を引き裂く結果となった。にも関わらす、最澄は丁寧に書面をしたためている。BL的にはこの書面ひとつで師弟愛に溢れた場面が想像できる。

もちろん国宝で、天台宗関連の展示会では目玉の展示物のひとつとして飾られることが多い逸品である。 空海が三筆に数えられるの比べて、最澄の書の評価が伝わっていないのは残っている自筆が少ないからかもしれない。ちょうど高野山で聾瞽指帰の展示があるので、それと見比べてみたい。

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。