国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

講堂 唐招提寺

天平時代の建物として境内に残る唯一の建物が講堂である。平城宮の「東朝集殿」を移築・改築した。金堂の真後ろにあるため、入り口からは全く見えない。後ろに回ると横長の建物が現れる。開放感ある建物で、講和するにはとてもよい。 本尊は弥勒如来坐像で、…

芦手絵和漢朗詠抄 藤原伊行

芦手絵が見事に描かれた紙の上に和漢朗詠集を書き写した、今で言う豪華装丁版の書物である。平安時代書写の完本で、京の貴族文化を象徴する国宝である。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ 通期・巻替 tsumugu.yomiuri.co.jp

瓢鮎図 退蔵寺

京都で文化度が一番華やいだ時期は室町時代である。武家政権にはなったが、政治の中心が鎌倉から京へ戻り、緊張感のある様々な対立軸が蠢いた。南北朝や応仁の乱など、戦が行われた一方で、大陸文化を取り入れた東山文化を醸成して文化面では充実したじきで…

金堂 唐招提寺

京博での開催されていた特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」が閉幕してから3週間がたった。6月5日~7日は毎年、唐招提寺で開山忌として鑑真和上の遺徳を偲ぶ催し物が行われる。 鑑真和上は6月6日に亡くなった。多くの苦難の末、来日して日本仏教の礎を築…

山水屏風 京博

なぜ京都が1200年も続く都になれたのか。その一つに嵯峨天皇時代に密教を積極的に受け入れたことがある。南都・奈良に対応する宗教勢力を作ることで、南都北嶺の対立軸を作り、それを仲裁する役割を担うことで貴族政治力が復活したためだ。その密教の儀式に…

刀 無名(名物富田江) 前田育徳会

所有者が変わって見る機会が増えた刀の稲葉江。刀工の郷義弘の作品は滅多に見ることができないため、「郷とお化けは見たことがない」と言わしめるほど作品数も少ない。今回の京の国宝では稲葉江とともに、前田育徳会所蔵の富田江も展示される。ともに前期の…

古神宝類のうち籬菊蒔絵手箱 熊野速玉大社

京の国宝はなにも現在京都にあるものとは限らない。京にあったものもその展示候補となる。熊野速玉大社に奉納された古神宝類は京に居る貴族たちの信仰により”下った”ものである。応仁の乱で多くの文化財が焼失したことから、地方へ奉納した京の宝がどれだけ…

摩睺羅 妙法院

京博の道を挟んで向かい側にあるのが三十三間堂。京の国宝と言うならば信号を渡って登場するほかないだろう。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ 通期 tsumugu.yomiuri.co.jp

「関山」 道号 宗峰妙超 妙心寺

京を歩くと各仏教宗派の大本山が至る所に点在している。特に禅宗の大本山は大きな境内を有して、数々の塔頭寺院を構えており、時代の変化に取り残された独特の雰囲気を有している。妙心寺もその一つ。京都花園にある臨済宗妙心寺派の総本山は一大寺院群を形…

風神雷神図屏風 俵屋宗達筆 建仁寺

京と言えば都会。田舎者が憧れる京文化のど真ん中が風神雷神図屏風である。絢爛豪華で他に真似することができない唯一無二の作品である。ただ、最近は琳派が展示会で持て囃されている展示機会が増えているのでレア度は少し下がっている。 レア ★★☆ 観たい ★★…

御堂関白記 陽明文庫

京の国宝といえば平安時代から江戸時代まで宮中との関係性で指定を受けているものが多い。その点で宮中の行事やその時代の風俗、そして世界最古の自筆での個人日記である御堂関白記はこの展示会に欠かせない存在である。1000年以上に渡って京都が都であ…

梵天坐像 東寺

昨年7月に京都市京セラ美術館のリニューアルオープンを記念して企画されていた京の国宝展が京都国立博物館へ場所を移して開催される。66件の国宝が登場するようなので期待しかない展示会となっている。1年待った展示物が徐々に分かりつつあるので、予習…

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。