国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

風神雷神図屏風 俵屋宗達筆

1969年、京都国立博物館で行われた日本国宝展でメインビジュアルを務めたのが風神雷神図屏風。国宝の中でもインパクトは随一。京博の近く、建仁寺の寺宝で、琳派形成のエポックメイキング的存在。 レア ★☆☆ 観たい ★★★ コラボ ★★☆ 琳派 期間 ⅠⅡ www.kyoh…

松林図屏風 長谷川等伯筆

等伯は小説にも描かれ、最近は展示会でも取り上げられた安土桃山時代の無頼絵師。銘家の狩野派に比べてバックボーンがほとんどないところから、のし上がり、きらびやかな絵を次々と生み出している。その中で、同作は水墨画。靄をうまく表現しており、近世水…

桜図壁貼付 長谷川久蔵筆

智積院は豊臣秀吉と縁が深い寺院で、その好みであった派手な宝物が残っている。なかでも桜図壁貼付は金箔のベースに満開の桜の大木が描かれており、青春ならぬ金春来るといったところだ。今回はこれだけの出品のようだが、国宝の楓図も負けず劣らず豪華であ…

天橋立図 雪舟筆

天橋立図は鳥観図としても最高峰で、京都にあることが最も似合う作品だ。現在でも観光地である天橋立だが、ほぼ当時の姿のままなことが分かる。ドローンもない時代に、如何に創造性豊かだったということが分かる。 レア ★★★ 観たい ★★★ コラボ ★★★ 期間 ⅠⅡ w…

山水図 雪舟筆

雪舟国宝コンプ達成の最。おそらく雪舟の作品のみの展示室になるので、水墨画のパラダイスとなる。 レア ★★★ 観たい ★★★ コラボ ★★★ 期間 10月3日~22日 www.city.kurashiki.okayama.jp

慧可断臂図 雪舟筆

山水画が多いが、宗教画も数多く手がけている。明での勉強は中国各地の風景を写生し、風景こそ最大の師とまで言わせるぐらい雪舟は山水画に没頭した。それが高じて庭園も多く手がけている。その一方で、中国画の技法を学ぶため、またパトロンたちの要望もあ…

破墨山水図 雪舟筆

雪舟の国宝認定作が6点すべて揃う展示会は次回はいつ開かれるのだろう。そう考えると今回見逃すと一度に見る機会は永遠にないかもしれない。今回の国宝、前半の最大の見せ場であり、大混雑必至である。 レア ★★☆ 観たい ★★★ コラボ ★★★ 期間 10月3日~22日 …

秋冬山水図 雪舟筆

秋冬山水図は2幅の違いを見比べると、水墨画なのに寒暖まで伝わる匠の技巧が体感できる。色彩があればわかりやすいのだが、墨の濃淡だけで表現されている。遣明船に乗って留学し、同時代の画家には観るべきものがないと言った実力は伊達ではない。 レア ★★☆…

四季山水図巻(山水長巻) 雪舟筆

10メートルを超える水墨画。雪舟自身が周防の大内氏の庇護を受けていた。山口の毛利博物館所蔵で、山口県には雪舟関連の寺院も多く残っている。 レア ★★☆ 観たい ★★★ コラボ ★★★ 雪舟 期間 10月3日~22日 四季山水図 - e国宝

瓢鮎図 如拙筆

妙心寺の塔頭寺院・退蔵院所有の掛け軸。日本庭園と桜の綺麗な院で、枯山水と池泉庭園を備えている。レプリカがあったがそれを忘れるぐらい春の庭園群がよかった。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ www.kyohaku.go.jp

宮女図(伝桓野王図)

観た感じそれ程派手さがないため、この図だけでは集客は難しい。しかし、同時代の他の作品と並べると、宗教画独特の説教部分がないシンプルさが際立ち、見栄えしそうな作品だ。 レア ★★☆ 観たい ★★☆ コラボ ★☆☆ 期間 ⅠⅣwww.city.kurashiki.okayama.jp

秋景・冬景山水図 伝徽宗筆

春は失われているらしく、夏と秋・冬のコラボが実現。しかし、季節の春がないのは残念。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ コラボ ★★☆ 期間 ⅡⅢ www.kyohaku.go.jp

夏景山水図 伝胡直夫筆

春夏秋冬は日本のみにあるわけではない。最近は日本も亜熱帯気候に近づき、春と秋が間引きされつつあるが、中世の中国にも春夏秋冬はあった。その証拠が山水図である。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ コラボ ★★☆ 期間 ⅡⅢ 山梨県/山梨の文化財ガイド(データベース)…

観音猿鶴図 牧谿筆

大徳寺は10月第2日曜日に曝涼(虫干し)風景を公開している。寺所有の仏画や書が所狭しと掛けられていて、すべて綺麗に保存されている。その中で、誰しも一目惚れするのが猿鶴図だ。博物館や美術館と違って詳細な説明はそれ程ないが、作品のオーラで2度見…

孔雀明王像

東博所有の孔雀明王とのコラボレーションが実現。仁和寺は国宝の宝庫で、来年新春には東博で御室派大集合展の開催が発表された。そこでは、観音霊場でおなじみ葛井寺の千手観音が陳列されると発表された。東京では400年ぶりだそうで、どう運ぶかが気にな…

北条実時像・北条貞顕像

ついこの前まで金沢文庫で開催されていた展示会でも出展されていた。日本史史上初めて関東に権力の中心が移った鎌倉時代は派手さはないが、着実な文化形成をしていたように思える。現実(リアル)に重点を置いた禅や実像を描く肖像画、刀剣や刀などの武具な…

随身庭騎絵巻

天皇の随身、ボティガード9人を描いた絵巻物。鎌倉時代のハリソン・フォード達を堪能できる。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★★☆ 期間 Ⅲ www.shukokan.org

伝源頼朝像・伝平重盛像・伝藤原光能像

中世西洋絵画には多くの肖像画がある。写真が時代、パトロンの姿を後世に残すには絵で描くしかなかった。日本でも多くの武将や貴族、大師のものが残っている。しかし、それらで国宝認定されているものは少ない。神護寺に保管されている3点はその代表的作品。…

平家納経

安芸の宮島は秋がよいという意味を含んでいると思う。紅葉のシーズンは厳島神社の朱色と周りの紅葉が調和して絶妙の風景となる。平清盛は厳島信仰に熱心だったため、多くのものを寄進し現在まで伝わっている。平氏の色は赤(源氏は白)なので、厳島の基調は…

一遍聖絵 円伊筆

一遍上人は鎌倉仏教の教祖では唯一比叡山での修学経験がない。しかし、仏教を深く信仰した結果、踊念仏にたどり着いた。念仏と踊りの融合はトランス状態を生む現在のレイブに相当する。レイブ風景を動画サイトに投稿したものが国宝となったと思うと、観るだ…

信貴山縁起絵巻

奈良と大阪を遮る生駒山。海のない奈良は都があった時代から海のある難波へ行き来して、大陸文化を吸収した。奈良と大阪をつなぐ道は最古の街道・竹内街道が南部にあるが、山岳を超える北部コースに信貴山がある。大阪側のコース麓には藤原氏と縁の深い平岡…

源氏物語絵巻

日本で最も知られた恋愛物語。社会の授業での印象が非常に悪い(ただ覚えさすだけ)なので、本質が分からないまま毛嫌いしている人が多い。しかし、伝わってきているということは本物を観れば読みたくなる。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ コラボ ★☆☆ 四大絵巻物 期間…

扇面法華経冊子

絵巻物は長尺のため、一気に観るには不向きである。そのため、多くのものが気に入った場面だけを切り取り、扇や軸など見やすい大きさに加工してします。加工すると価値が下がるが、それでもよいものは良い。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ コラボ ★☆☆ 期間 Ⅲ・Ⅳ※展示…

展示会テーマソング???

平成も29年目、21世紀に入って10数年が経つが、単体の展示会に公式テーマソングがでるとは昭和感満載だ。そのテーマソングを歌うフラッグアーティスト(旗芸術家?)は関西にゆかりのある谷村新司。これまた昭和。きっと、グッツでカセットテープに入っ…

病草紙

西洋の医学が入る以前、病は気からと言われるぐらい非科学的な研究しかなく、原因が特定できない呪いのような存在だった。だから、鬼や地獄と同じ扱いで病が論じられている。もし名医ならば絵を観るだけでなんの病気か分かるかもしれない。 レア ★☆☆ 観たい …

地獄草紙

地獄の窯の蓋を開けるとどうなるか。たぶんテレビは自主規制により流せないぐらい、グロテスクな表現のオンパレード。地獄絵図とはまさにことのことだ。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★★☆ 草紙 期間 Ⅰ www.narahaku.go.jp

餓鬼草紙

鬼を誰も見たことがない。でも日本の昔話には鬼が切っても切れない。進撃の巨人も鬼が巨人になったと考えれば、西洋風昔ばなしである。昔の人が書いた進撃の巨人が餓鬼草紙というと親近感がわく。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★★☆ 草紙 期間 Ⅱ 餓鬼草紙 - e…

六道絵

あの世は恐ろしいところである。その恐ろしいところへ行かないために現世で善を積むことが大事である。では、あの世の恐ろしさとは何なのか。それを絵にしたのが六道と地獄絵巻などである。淀川長治風に言うと実に怖いですね。怖い。怖い。怖い。 レア ★☆☆ …

十一面観音像

観音様は平安時代から最も信仰された神様の一つだ。西国33観音巡礼は日本最古の巡礼として残っており信仰があってこそ今に受け継がれている。種類も豊富で、馬頭や千手、如意輪などあり、十一面もメジャーな部類になる。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ …

普賢菩薩像

国宝を集めるには東京国立博物館の協力なしには成立しない。直近にも日本国宝展を開催していることから、近い将来同様の企画があるだろう。その時には普賢菩薩像などは惜しげもなく展示されるだろう。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 ⅠⅡ www.tnm.jp

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。