和歌山県立博物館で開催の「聖地巡礼―熊野と高野―」は第Ⅳ期。熊野速玉大社の神像と古神宝が登場。特別展示室には熊野速玉大社が誇る国宝群が所狭しと並べられ、収まりきれなかった分は常設展示のショーケースを活用していた。
この展示会は世界遺産 「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年を記念して開催している。5期に分けた展示だが、うれしいのは前回見た時の半券を提示すれば団体割引が利く。そして、入場料が第Ⅲ期を除いて常設展示価格で設定して、格安で見ることが出来る。とはいえなかなか和歌山城の南側まで足が伸びず、第2期(改悪前の青春18切符で行った)以来の訪問であった。
12月に入ってNHKのETV・日曜美術館で同展示会の特集が組まれていた。見た人が大勢来ているかもとも思っていたが、7~8人だったのは残念だった。展示は熊野速玉大社が描かれた地図の後、国宝の熊野速玉大神坐像・夫須美大神坐像が並んで鎮座していた。いずれも一木造りで、かなり太い木で造られている。日美の解説では御神木から作り上げてものと推察していた。夫須美大神坐像の目立つ位置に節があることから造形美より自然を優先する造り方だったことを示しているからだそう。全体を見ることはあっても節が残っていることまで目が行き届いていなかったので、今回の展示で見ることが出来て確認できた。国宝の神像の中では大きな部類で、見ごたえのある彫像であった。