国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

阿弥陀聖衆来迎図 有志八幡講

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観心寺の特別公開を見終えて、高野山へと向かう。

明治時代以前ならば歩いて1日かかると観心寺で言っていたが、モータリゼーションの発展により2時間弱で行くことが出来た。

標高が900メートルと山頂にある宗教都市・高野山。すでに桜の時期が終わった下界だが、遅咲きの枝垂れ桜が見ごろとなっていた。

国宝好きならば今年の高野山は4回登らないといけない。霊宝館が開館100年となり、高野山塔頭寺院が保管していた宝物たちを惜しみなく4回に分けて出品するためだ。その第一弾が4月17日より開始した。

高野山の名宝は普段と違うルートでの見学となる。いつもなら、新館→本館と進むのだが、本館→新館の順序となっている。普段の出口から入り、いつもの仏像たちがお出迎え。絵画分野までは普段通りだった。

絵画は武田信玄関連の絵が展示。武田二十四将図や晴信像、勝頼妻子図など、信玄生誕500年を祝う展示なっていた。普段ならば自由に絵画を観ることが出来るが導線を限定していたので、それに従い移動すると巨大な阿弥陀聖衆来迎図が中心に陣取っていた。阿弥陀様を中心に楽器を持った菩薩達が楽しくお迎えに来ている風景が描かれている。手前の菩薩を大きく、奥の菩薩を小さく描く遠近法を用いるなど技法的にも素晴らしい出来栄えである。来迎図としては平等院の壁画に次ぐ古さで、浄土信仰の貴重な品である。元は比叡山にあったもので、織田信長が焼き討ちする前に避難させていた。空海最澄の仲たがいが、その後の真言と天台の対立として続いていたと勝手に想像していたが、朝廷に仕える東密台密の間柄で、共通の敵とは共闘することもあったのだろう。

 

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。