京都のイメージは平安時代の雅な雰囲気で、京博の展示でも煌びやかなものの展示がよくある。今回も円山応挙の企画展示があり、目の保養になった。東博で開催されたやまと絵の豪華さをぜひ京博視点で企画してほしい。
さて、国宝は備前・備中・備後の名刀の企画で出品が1点あった。吉備地方の刀剣を集めて展示していたが、その多くが鎌倉時代に作られた太刀であった。文化庁所蔵(保管は京博)の正恒は太刀で長さ約75センチメートルと長尺であることに加え、鍛えと刃文が正恒の典型ということで国宝の指定を受けている。太刀は長さがある分、扱いにくいため摺り上げて短くされたものをよく見る。この企画展でも何点かあったが概ね太刀としてそのまま受け継いだものが多かった。個人的には短刀の愛らしさが好きなのだが、鎌倉時代の益荒男が身に着けたものを揃って見るのも悪くなかった。