9月のシルバーウィークは各地の観光地に久々の人出の賑わいをニュースが多く見受けられた。GOTOトラベルキャンペーンも相まって、コロナと共生する新しい観光が模索されている。そんな中で、2019年3月に新しくなったケーブルカーを見に行った。
ケーブルカーの形状はこれまでのものと同じで、外装はシックに内装は極楽をイメージした派手なデザインだった。乗り心地はまあまあだった。目的の大半はこれで終わりだがここまで来て、国宝を見ないで帰るわけにはいかない。
霊宝館では如来をテーマに展示。いつものように新収蔵庫から順にみる。こちらで見れた国宝は金銀字一切経 (中尊寺経)で、金銀交互に用いて写経されたものが展示。よく見るものは銀が酸化して黒くなっているものが多いが、丁寧に保管されていたため、まだ銀だと分かる劣化ぐらいだった。
廊下を渡って登録有形文化財の紫雲殿へ。ここには国宝の仏涅槃図を展示。よく見る涅槃図はお釈迦様が横たわる周りを人々と動物が囲み、涙するというもの。しかし、こちらは神たちが囲んで見つめて、動物は若干いる程度だった。描かれた年代と作者が表面に堂々と書かれていることも珍しく、寄進物ではあまり見たことがない。釈迦の衣に使われていたであろう切金細工が見にくくなってはいるものの、1000年近く前の作品とは思えない色鮮やかな仏涅槃図である。