国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

火焔宝珠形舎利容器・五瓶形外容器 西大寺

国宝に指定されているものの多くが観た瞬間に美しいと思えるものが多い。それは美術的な細工の最高峰として美が見て取れるからである。西大寺の火焔宝珠形舎利容器は素材としての美しさに驚嘆した。

舎利容器は釈迦の遺骨を納めるものとして、それそのものが信仰の対象となる。なので、舎利容器を豪華に見せるための工夫がなされて火焔宝珠形にアレンジしている。美しさはそれら人工的な部分ではなく、真ん中にある水晶だ。究極の球状に仕上げた水晶の透明感は半端なく、それが5つも揃っている。見ていると吸い込まれそうになるぐらい異彩を放っている。数々の国宝を観てきた中で、素材の持つ力を感じるものはほとんどなかった。この火焔宝珠形舎利容器には五瓶形外容器がついており、おそらく普段はその中で大切に保管されていることだろう。展示によって外に出た、刹那の輝きを観た気がする。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。