国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

北海道白滝遺跡群出土品 遠軽町埋蔵文化財センター

 

令和5年新指定 国宝・重要文化財の企画展が平成館で開催されている。実に4年ぶりだそうで、これまでは本館での開催だったものが、平成館での開催となっていた。ついこの前まで東博150年記念展示会を2階で行っていたが、訪れた時は閉まっていて、祭の後の静けさが漂っていた。

新指定国宝の展示は北海道白滝遺跡群出土品だけとだった。これまでは函館市の中空土偶が国内最北の国宝だったが、新指定の国宝はさらに北の紋別郡遠軽町で見つかった。なので、国内最北国宝の栄冠を手にした。

そして、旧石器時代では初の国宝指定で、それ以前のもので国宝指定物はないので最古の品でもある。石器製作の変遷や各種石器の組み合わせを良く示す資料的価値の高さが評価された。指定された数は石器が1514点、接合資料が451組となっている。

展示物を見るにつけ、黒曜石が黒々と輝いて黒い宝石のようだった。硬いにも関わらず加工しやすい点が石器として幅広い応用ができた。それが運良く残っていたものが出土した。

同時に国宝指定を受けた三の丸尚蔵館の国宝3点がパネルのみだったのが残念だが、出土品は認知度や優美さなどでは三の丸のものと比べて遥かに劣るものの、美しさはもしかしたら優っていたかもしれない。苦労して生活道具を作ったからこそ手先が器用な猿人類が誕生した。そんな歴史ロマンを感じる展示物だった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。