国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

春日権現験記絵 宮内庁三の丸尚蔵館

春日大社関連の国宝で新顔が登場。宮内庁三の丸尚蔵館が所蔵する春日権現験記絵だ。

高階隆兼によって描かれた絵巻物で、藤原氏一門の繁栄を祈願するために春日明神から受けた加護と霊験を綴ったものである。

この絵巻物は1309年に左大臣であった西園寺公衡の発案で、製作が開始されたというから700年前の春日大社が描かれていることになる。にも拘らず、絵巻物に描かれている建物が当時の位置に残っているものが非常に多い。南都焼き討ちなど幾多の戦乱に巻き込まれているはずだが、その度に復興されたのだろう。また、今回の式年造替のように新調する時期を明確にすることで、計画的に建て替えが可能となり、職人の育成につなげて、今日まで続いている。

春日大社の大展示会だったら、奈良博全体を使って豪華な文化財を陳列するため、考える気力が続かないが、若宮とテーマを絞った分、ちょうど余韻に浸れる規模となり、いろいろと学ぶことができた。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。