若宮国宝展は春日大社にある若宮の20年に1度行われる式年造替に合わせて奈良国立博物館で企画された。若宮は春日大宮と同じ御子神様を祀るため、大社内でも最も位が高い宮に位置づけられる。
とは言え、もともと春日大社は駅から遠く、たどり着くまでに興福寺と東大寺という日本屈指の名刹を抜けた先となるため、1回来ただけでは印象が薄い。それとともに、春日大社自体の境内もとても広く、さらに本殿の奥に位置する若宮へたどり着く頃には脳も体も疲れ切っており、印象がより薄い。
今回の展示では若宮に直接関係あるものばかりではないが、春日大社の秘蔵のお宝が展示されている。前期には伝源義経所用の籠手が出ていた。籠手の金工装飾の華やかさは所用というより奉納用でも最高級といってよいぐらい出来栄えが素晴らしい。籠手自体の大きさは現代人の男性用としては小さい部類に入る。ここから義経は小柄なイメージが付いたのかもしれない。