国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

五大虚空蔵菩薩像 神護寺

神護寺ゴールデンウィーク恒例、虫干しによる国宝公開は中止となったが、その代わり多宝塔にある五大虚空蔵菩薩像の御開帳が5月3日~5日にあった。例年は5月13日~15日と10月8日~10日のみに公開されるのが、コロナのため、しばらく中止されていた。

多宝塔は金堂の裏山に建てられ、境内を見守るように造られている。普段は門が閉まってひっそりとした場所だが、この日は門が開いて受付ができていた。塔内には五大虚空蔵菩薩像のみが鎮座していて、持ち物が違う5体が似たような造りをしていた。一木造りで部分的に木屎漆で仕上げている。それぞれの像には色が決まっているゴレンジャー方式ではあるが、歳月とともに剥げ落ちているのでほぼ地だけとなっている。

さて、堂内での解説はCDに録音されたものが7分程度流される。その解説の中で、河内の観心寺にある国宝・本尊如意輪観音菩薩に似ていると指摘していた。言われてみると顔立ちはそっくり。空海の軌跡を踏む僧侶たちが高野山から観心寺へ移動し、大阪へ出て川を登って京都へ。そして神護寺へと移動していた時に五大虚空蔵菩薩像へ報告すると地域を越えて同じ顔が並び安心感へとつながる。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。