国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

三重塔 大法寺

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上田駅からバスで青木行きへ乗って25分。当郷バス停で下車して、緩やかな山道を歩くこと15分で大法寺に着く。歩いて行く場合は、手前の車が通る道より、奥の道で登る方がよい。境内に青木村郷土美術館があったが、お目当ての国宝へ一目散に参る。

まずは正面の観音堂。仏像の見学も兼ねて内陣までの参拝料を払う。厨子室町時代のもので禅宗様。上部に鯱が鎮座している珍しいもので、木製のものとしては日本最古例だそう。ここまでは外からでも覗けるが、厨子の真裏に重文の木造十一面観音及び脇侍普賢菩薩立像 2躯がある。これは中に入らないと見ることができない。10世紀後半の一木造りで、カツラ材を使用。国宝の十一面観音を立て続けに観たが、近い時代の違う作り方の像だが、似ている部分も多く仏師たちが情報共有していたことが分かる。脇侍の破損が目立っていたのが残念だった。

さて、お目当ては堂を出た左側にある三重塔。伽藍内では最も高い位置にあるため、見返りの塔とも呼ばれる。結構な急な位置に建っているためか、大きさの割には存在感がある。鎌倉時代末期、大阪天王寺の工匠によって造営された。高い位置にあるので、落雷や災害などで壊れる危険もある中で、造営当初の美しい姿を現代まで受け継いでいる。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。