冬の高野山は標高が高いため雪が積もり、修行僧には厳しい場所である。しかし、今年は暖冬の影響で2月中旬にも関わらず多少の残雪がある程度。むしろ、訪れた時は春の陽気となり快適なぐらいだった。
コロナ禍の影響もあり、高野山に観光客はほとんどおらずメイン通りの商店は半分程度閉まっていた。修行の場が本来の姿ではあるものの、賑わいがないのは少し寂しい。
2021年度に開館100周年を迎える霊宝館。国宝・重文クラスを惜しげもなく公開する発表が先日あったが、その前の露払いとして訪れた。密教の美術はよく使われる題で、国宝を展示していたのは新館だけ。観光客など人気のない街ではあったが、霊宝館にはぽつぽつと人が来ていた。
金銀字一切経はお経を執筆するのに一行ごとに金と銀交互に書いて美しさを際立たせている。保存状態がよいためか銀の酸化が進んでおらず光沢のある状態であった。