MAO美術館の太っ腹なところは基本的に撮影自由(借り物の美術品など一部は撮影NGあり)。
なので、国宝3点もルールさえ守れば取り放題。屏風や壺、彫刻といった単体ものは、じっくり見ることで特徴が記憶になんとか残るだが書跡は文字が太か細いか、楷書か草書か明朝かなどがうっすら記憶に残る程度で、数多く観ると訳が分からなくなる。そんな悩みの中、手鏡は断裁された有名人の書を集めたものだ。書のベスト盤、コンピレーションアルバムの最高峰とでも言えよう。
観ている時は書そのものより作者名が気になって、なにがどのように書かれているかあまり記憶に残らない。そこで、写真撮影はとてもありがたい。展示していたものを見返すことができるので、あとからじっくり観ておけばよかったということがない。ミュージアムショップで売っている展示会の解説書もよいが、すべてが気になるものでない場合もあり金額もそれなりにお高く、写真は美術館来館の記念以上のものになる。太平洋の雄大な海を臨む美術館だからこそ、美術品との出会う一瞬の大切さを教えてくれた思いがする。