MAO美術館の国宝3点一挙公開の目玉は紅白梅図屏風である。左に白梅、右に紅梅を配して、屏風の中央に川が流れる表現を金をうまく使って表現している。川の流れは雄大にも関わらず、梅の枝葉が鋭利に躍動しているので早さを感じる。梅が咲き、春になる速さが梅に現れているのかもしれない。
さて、左右の梅の木の躍動感がなんとなく俵屋宗達の風神雷神図屏風に重なる。後世の評論家が琳派という名称で分類したことで、そう思わせるのかもしれない。現在のように展示機会さえあれば誰もすぐにそれらを観ることができる環境は評論家以外の一般人でも同じ思いを持たせる幸せな時代かもしれない。