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手鑑 見努世友 出光美術館

コロナ禍に突入して出光美術館は開館を控えていた。都心のビル内にあるため閉鎖空間でコロナ対策がきっちりと構築して、感染が落ち着くまでと慎重な対応だった。若冲コレクターで有名なプライスから譲り受けたものの展示や、開館55周年を記念した展示会などが2021年記念イヤーはほぼ開館することはなかった。

事前予約などを導入してオミクロン株が落ち着いた2022年春、久しぶりに出光美術館が開館した。しかも、国宝・見努世友の修繕を終えた記念展である。名品を揃える出光に相応しく、古筆と茶道具を織り交ぜた展示会となった。

最初の部屋から奈良時代から鎌倉時代にかけての古筆で重要文化財や重要美術品クラスが惜しげもなく展示。茶道具として床の間に飾るために切られたものが多い中、大般若経薬師寺経)や絵因果経、久松切倭漢朗詠抄などの巻物もあった。断簡とならずにそのまま残っているのは見ごたえがあった。

第二室に本命の国宝手鏡の見努世友が陳列されていた。もともとは各種の断簡が1冊の裏表に貼られていたが、今回の修繕の機会に裏と表にあったものを2冊に分けた。まずは裏面に貼られていたものが展示。聞いたことのある名前が並ぶ。少し離れた対面のショーケースには表面があり、こちらは手鏡の形式通り、最初に大聖武が最初にあり、光明皇后聖徳太子など歴史の教科書に必ず載っている偉人の筆が並ぶ。

手鏡は書の手本となるとともに、執筆鑑定に使用するため有名人の書で構成されている。それらの真筆をいかに集めるかが重要で、国宝に4件指定されている。この国宝の手鏡たちはたまに展示会で陳列されるのだが、どうしても一部(とくに有名な部分もしくは展示会に関連する部分)だけしか開かれないので、今回の展示のように半分近くを長々と公開されることはあまりない。修繕記念の展示の機会を逃すと二度とないかもしれない展示方法だったので、じっくり堪能した。たまには展示内容ではなく、見せ方を工夫しただけの展示企画があったもよい。

東博の国宝が2022年10月18日〜12月11日に開催。 150周年記念展のため、所有する国宝89件すべてを公開する。