国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

彫刻

國華 普賢菩薩騎象像 大倉集古館

日本最古の美術雑誌のひとつ國華の周年イベント。発行元の朝日新聞の周年も加えて、豪華なラインナップが登場する予定だ。 「名作誕生つながる日本美術」展はは東博で4月13日〜5月27日で開催。昨年秋の国宝展には及ばないまでも、国宝でない名品たちも…

【仁和寺展】阿弥陀如来坐像および両脇侍立像

いつもは春・秋に公開される仁和寺の霊宝館に鎮座している阿弥陀如来坐像。寺の中心的仏像ではあるが、その地位を2代目に譲り、特別な時に顔を出す。先代の親方的存在で、隠居はしているがまだまだ現役バリバリ。 浄土思想が蔓延して大量の仏像が誕生した時…

【興福寺 】天燈鬼・竜燈鬼立像

昨年春の興福寺・仮講堂特別公開や運慶展の最後のコーナーでも目を引いた燈鬼像。運慶の子・康弁作で、筋肉ムキムキの小鬼が塔を持ち挙げる力強さを見事に表現している。 他の仏像に比べると小振りであるにも関わらず、肉感・迫力・インパクトは大きさに反比…

【興福寺】十大弟子立像

光明天皇の発願により734年に完成した像。名称の通りもともとは十躯あったが、伝わっているのは六躯である。 ふくよかな菩薩像や屈強な力士像に比べると、やせ形のガリガリで生命力に欠ける像である。しかし、それぞれが個性的であるため、単なる仏像に比…

【興福寺】八部衆立像

興福寺の仏像群で一番人気は八部衆の阿修羅像であろう。最近の調査で童顔の阿修羅は元はもっと怖い顔だったことが分かるなど、研究が進んでいる。 八部衆は異教の神が仏教の護法神になったので、顔や体が異形のものの組み合わせでできている。迦楼羅などはお…

【興福寺】木造千手観音菩薩立像

興福寺の国宝館が元日に再開した。昨年は耐震工事のため1年間閉館していて、その間に東博で運慶展が催され、多くの仏像が出品されていた。 国宝館のセンターはもちろん千手観音。リニューアル前もそうだったように、5メートルを超える大型仏像は中心にふさわ…

【奈良博】義淵僧正坐像 岡寺

金剛寺の降三世明王像があるべき金堂へお戻りになった。そのバトンを受けたのが義淵僧正坐像である。大きさや迫力は降三世明王には遠く及ばず、見た感じも情けない顔となっている。なら仏像館には大きな仏像も多く、どうしても等身大に近い坐像となるとイン…

仁和寺展 阿弥陀如来坐像および両脇侍立像

仁和寺展で金堂の内陣を再現したコーナーができるということは、阿弥陀如来坐像と脇侍が主役になるということだ。普段は金堂の真ん中、奥深くに鎮座している阿弥陀如来は信仰の中心である。門跡寺院である仁和寺では皇族が門主となっていたので、国家安寧を…

【道明寺】十一面観音立像

道明寺天満宮のすぐ隣に道明寺がある。いや、道明寺の隣に天満宮があるといった方が正しい。道明寺は真言宗御室派に属していて、東博の仁和寺展へは国宝の十一面観音立像が出品される。そのため、今回を見逃すと現地では4月まで見ることができない。 国宝指…

仁和寺展 千手観音菩薩坐像 葛井寺

来月、東博で開催される仁和寺展。御室派の寺宝が一堂に会する展示会で、一番の見どころはポスターにも登場している葛井寺の千手官能菩薩坐像である。 後半期からの登場で、約400年ぶりに箱根の山を越える来るそうだ。千手観音像は数多あるが、ほんとうに…

【東大寺】金剛力士像

南大門が目立たない理由。それは鎌倉時代の仏像彫刻をけん引した慶派が制作した金剛力士像が鎮座しているからだ。2017年の春は快慶、秋は運慶の展示会が開催され、それぞれ話題となったが、展示会へ行かずとも無料でしかも屋外展示?している立像に会え…

【東大寺】廬舎那仏坐像

大は小を兼ねる。大仏は見るからにインパクト大。どの角度にいても大仏が見下ろしているように思え、拝んだことは必ず聞いてもらえそうだ。そこから万人が救いを求め、拝観者を増やす好循環を生むのだろう。美術品というよりも構造物に分類してもよさそうだ…

【東大寺】重源上人像

運慶展で会った重源上人に2か月ぶりに対面した。展示会場では彫刻としてじっくりみることができた。表情や衣服に至るまでの凹凸が生々しく表現されており、運慶の技術力とその出来栄えに感服した。今回はお堂内で鎮座お姿で拝見。一段高い位置から見下ろす姿…

【東大寺】執金剛神立像

法華堂には興福寺に匹敵するレベルの国宝仏像が安置されている。中心に据えられている不空羂索観音像を初め、金剛力士像、四天王像、梵天像・帝釈天像とどれも仏像彫刻として見ごたえがある。が、それ以上に圧倒される大きさが目を見張る。3メートルから4メ…

【東大寺】良弁僧正坐像

開山堂には東大寺の初代別当良弁僧正の坐像が祀られている。坐像はしっかりとして顔立ちで、高倉健を生き写したような男前だった。特別公開時しかお堂が開かれないため、彩色が残っていて、仏像などとは違い地味な色合いだったようだ。

【国宝】薬師如来坐像 仁和寺

大乗仏教の場合、多くの人に観て拝んでもらう必要があるので、人の大きさより大きい仏像がほとんどである。奈良・東大寺の廬舎那仏などはロボットアニメもビックリな大きさとなっている。一方で、小さな仏もある。これも東大寺の誕生釈迦仏立像は50センチ…

【国宝】木造兜跋毘沙門天立像 教王護国寺

仏像の表情は時代によって流行がある。円派は柔らかい表情で中肉的、慶派は厳つい顔つきで肉感的など、派閥によっても違う。そんな中で出品されている教王護国寺の兜跋毘沙門天立像は、お笑いコンビ・コロコロチキチキペッパーズのナダルのように面長で目が…

【運慶展】重源上人坐像

大反響の運慶展。ほぼ国宝と重文の展示で、今年最大の仏像展といっても過言ではない。 奈良で春に開催された快慶展では仏像以外の出品も多かったが、運慶展は関連の仏像を集めまくった結果、ほとんど仏像の陳列に終始している。(陳列できなかった仏像以外の…

【国宝】四天王立像のうち広目天立像 法隆寺

彫刻全般は通期展示が多い。テーマはそれほど設けられず、作製時代が飛鳥時代から鎌倉時代まで時系列的に観ることができる。 その中で、法隆寺保有の四天王像は飛鳥時代のもので、彫刻技術は後世に見劣りしているが表現力は目を見張る。顔は面長で、漫才師で…

八幡三神坐像 薬師寺

時が経つにつれて色あせていく。像の彩色はその典型で、昔は派手な色で塗られていたものが、現在では木目で雰囲気のあるものに仕上がっていることがある。元の色合いを保つことは難しい。大切に保存されてきた休ヶ岡八幡宮は現在まで色合いが残る貴重な神像…

薬師如来坐像

神仏分離令により流れ流れて国有になったもの。東山の若王子社にあったと伝わる。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 通期 国宝|薬師如来坐像|奈良国立博物館

虚空蔵菩薩立像 醍醐寺

醍醐寺には10万点を超える美術・工芸品・密教美術などの寺宝を所有している。立像もその一つ。しかし、醍醐寺のお宝といえば桜だろう。満開に咲いたその風景は10万個の寺宝をもってしても変えることができない美しさだ。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ …

梵天立像 唐招提寺

唐招提寺と言えば鑑真。鑑真と言えば唐招提寺と連想するぐらい、奈良にある寺院の中にあってもインパクトが強い。山門から見える金堂も優雅で、国宝の仏像群を見たはず名に記憶にない。雰囲気に飲み込まれずじっくり観察したい。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ…

広目天立像

四天王像は多くの寺院に安置されている。仏教発祥の寺が四天王寺と言うぐらい超メジャーな仏像だ。制作躯数も多く、名品が多い。4体それぞれ違う寺院の名品を集めた四天王を形成したスーパー四天王配置を見てみたい。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 …

四天王像(多聞天立像)  浄瑠璃寺

浄瑠璃寺には多くの国宝仏像が安置されている。浄瑠璃寺全体も浄土を体現した作りで山水庭園としても申し分ない。そんな中での四天王像1体が出展されるが、やはり阿弥陀如来などとともに観たい逸品である。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間ⅠⅢⅣ www.kyoh…

運慶展 天燈鬼立像・龍燈鬼立像

興福寺に数多く保管されている国宝仏像の中で、阿修羅像や仏頭など印象に残るものの五指入るのが鬼立像だ。様々にある仏像の身長の半分ぐらいの大きさのため、飾る場合に手前に来ることが多い。そのため、目につきやすくなるのと同時に、しっかりとした鬼の…

運慶展 千手観音菩薩坐像光背三十三身像のうち 迦楼羅・夜叉・執金剛神 湛慶作

運慶展は運慶の残したとされる作品が少ないため、慶派でも運慶の流れを汲む作品も展示される。妙法院は国立京都博物館の近くにあり、大きな庫裡(国宝)が印象に残る寺院である。国宝も多く保管されており、その中の一部が展示される。 【運慶展】 レア ★☆☆ …

運慶展 重源上人坐像

2017年7月の東大寺で鎌倉時代のお風呂とともに重源上人坐像を見ることができた。東大寺の東側にある専用のお堂に安置されていた。堂は国宝の梵鐘が目立つ中でひっそりと建っている。普段はお堂内は開放されていないのでうっかり見過ごしてしまいそうな位置に…

運慶展 四天王立像

興福寺には様々な四天王立像が安置されている。その中で北円堂と南円堂の四天王が国宝(重要文化財のものが2組あり)に認定されている。南円堂のものが運慶作と推察されているので、今回はそれだけだが興福寺の四天王像を一堂に集めた展示会でも結構な参拝者…

運慶展 木造無著・世親立像

日本の肖像彫刻の最高傑作と言われているのが木造無著・世親立像。5世紀ごろに北インドで法相を確立、活躍した兄弟の彫刻だが、まず会ったことも見たこともないはずで、想像力でここまで写実的な彫刻ができるのがすごい。ただ、考えてみれば日本人に近い造形…

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。