国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

線刻釈迦三尊等鏡像 泉屋博古館

泉屋博古館には中国古代青銅器を中心とした展示館がある。ちょうど入口の建物がそれに当たる。特別展は中庭を挟んだ向かいの建物で開催しているので、慌てた人は見逃してしまう。 常設ではないと謳ってはいるものの、展示物が大きく変わることが少ない。住友…

明月記 藤原定家筆 冷泉家時雨亭文庫

明月記は住友財団修復助成30周年「文化財よ、永遠に」の泉屋博古館(京都)に展示している。56年間の日々を書き綴った藤原定家直筆の日記で、歴史的な人物が50年以上書き続けた日記では最古級である。 明治維新後、京の公家たちは天皇を追いかけるよう…

山水屏風 神護寺

住友財団修復助成30周年を記念した展示会が全国3地域、4カ所で行われている。修復事業の発表展示はたまに見かけるが、展示が東京・京都・九州と全国に分かれて開かれるのは聞いたことがない。21世紀に入って金融機関の合併が相次ぎ、それに付随する産…

北野天神縁起絵巻(承久本) 北野天満宮

石川県立歴史博物館は石川県立美術館を出て右手奥に見えるレンガ造りの建物にある。歩いて数分の距離で、その途中で絶賛建設工事中の建物がある。そこには国立近代美術館工芸館が来年移転する予定だ。伝統工芸の街・金沢にふさわしい取り合わせである。(駅…

日本書紀 前田育徳会

石川県立美術館には国宝ファン垂涎の場所がある。前田家ゆかりのものを展示している1室である。本館2階、色絵雉香炉が置かれている第1展示室すぐ横にある前田育徳会所有物を展示する尊経閣文庫別館がそれである。 おおよそ2か月ごと、あるいは特別展や企…

色絵雉香炉 野々村仁清作

「石川の美術〜美術館創設60年のあゆみ~」と題して、石川県立美術館で所蔵品の選りすぐりを一挙展示している。石川県、もとい加賀藩は徳川幕府への恭順を示すため、武力に繋がらない伝統工芸品の作成に藩として力を入れた。そのため、今日でも素晴らしい工…

太刀 銘光世作 名物大典太  前田育徳会

2018年は京都で大規模な刀の展示会があり、2019年は福岡で侍の展示会が開催されている。福岡市博物館の展示は刀はもちろん、甲冑の展示にも力を入れており、侍装備に特化した展示会となっている。 しかし、大半の観客は刀剣女子。全国行脚を繰り広げているつ…

金印

うだるような暑さがぶり返したが、展示会的には秋のシーズンとなった。大型特別展が各地で開催されはじめ、シルバーウィーク、紅葉シーズンに向けて、旅の計画が進む。 その計画にかこつけて、常設展で必ず訪れたいものがある。福岡市立博物館にある金印だ。…

【京都名品展】宝相華蒔絵宝珠箱 附 四天王像板絵 仁和寺

いよいよラスト。 似たような経箱が続いたが、こちらは箱だけでなく、それを収めていた中身も展示。中には四天王がそれぞれに彫られた板絵で、簡易版で持ち運び式の四天王像。仁和寺には持ち運び式で国宝最小の薬師如来像の彫刻もあり、出先でのお祈りする機…

【京都名品展】宝相華蒔絵経箱 延暦寺

平安時代を代表する蒔絵経箱。シルクロードを通じて大陸から飛鳥時代から白鳳時代にもたらされた文様が日本様式に仕上がった。その文様は、蔓と葉と花を配して銀を金蒔きでデコレーションしている。さらに蓋裏は宝相華唐草文を銀蒔きするなど、金ぴかでゴー…

【京都名品展】宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱 仁和寺

空海の真筆で書いてある三十帖冊子を入れるための箱。真言系の宗派はもちろん、書道関係でも注目を浴びる空海の真筆を収めるために、技術の限りを尽くした出来栄えである。貴族たち好む蒔絵とは趣が違い、躍動的に花や鳥、蝶などが描かれており、平安時代の…

【京博名品展】金銀鍍宝相華唐草文透彫華籠 神照寺

籠の網目部分を工芸品として加工し、金銀で鍍金したもの。唐草文様は蔓植物が曲がりくねりながら無造作に伸びていく様を表したもの。古代ギリシャやメソポタミアで意匠として使われていてシルクロードをを通じて、唐・朝鮮半島経由で日本にもたらされた。唐…

【京都名品展】剣 無名 金剛寺

古代中国の歴史ドラマを見ていると両刃の剣を使っている。金剛寺の国宝・剣も両刃で日本刀に比べると刀身が太い。斬るというよりも打ち倒すために振られ、刃先で怪我をすれば儲けものぐらいの戦闘に使用した。日本刀のように片刃は切れ味が大事になり、加工…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。