うだるような暑さがぶり返したが、展示会的には秋のシーズンとなった。大型特別展が各地で開催されはじめ、シルバーウィーク、紅葉シーズンに向けて、旅の計画が進む。
その計画にかこつけて、常設展で必ず訪れたいものがある。福岡市立博物館にある金印だ。国宝の中で日本史の教科書の初めに出てくる人気展示品。各地で金印が出展されれば長蛇の列ができる。しかし、常設(展示会で各地を回っている時を除き)の福岡では200円で待ち時間なしで見ることができる。
金印を観た感想は「小さい」が圧倒的に多い。教科書などで観る金印は拡大されたもので、原寸は小指の第一関節よりも小さい。そこに文字が彫られているのだから、古代の微細加工の極致が詰まっている。また、本体が金であることも人気の秘密で、海外から来たと思われる観光客も「ゴールド~」と感激していた。歴史、見た目、技術の高さどれをとっても国宝間違いなし。