国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

源信展 地獄草紙

2回目の源信展。国宝展の予習作品が2点展示されていた。奈良博所有の地獄草紙は地獄の使者、火の鳥がインパクト大。人気の場面だけあって絵が剥げ欠けている部分が多いが、火の鳥の迫力は健在。ファンタジーゲームにそのまま出てきてもおかしくない出来栄え…

運慶展 天燈鬼立像・龍燈鬼立像

興福寺に数多く保管されている国宝仏像の中で、阿修羅像や仏頭など印象に残るものの五指入るのが鬼立像だ。様々にある仏像の身長の半分ぐらいの大きさのため、飾る場合に手前に来ることが多い。そのため、目につきやすくなるのと同時に、しっかりとした鬼の…

運慶展 千手観音菩薩坐像光背三十三身像のうち 迦楼羅・夜叉・執金剛神 湛慶作

運慶展は運慶の残したとされる作品が少ないため、慶派でも運慶の流れを汲む作品も展示される。妙法院は国立京都博物館の近くにあり、大きな庫裡(国宝)が印象に残る寺院である。国宝も多く保管されており、その中の一部が展示される。 【運慶展】 レア ★☆☆ …

運慶展 重源上人坐像

2017年7月の東大寺で鎌倉時代のお風呂とともに重源上人坐像を見ることができた。東大寺の東側にある専用のお堂に安置されていた。堂は国宝の梵鐘が目立つ中でひっそりと建っている。普段はお堂内は開放されていないのでうっかり見過ごしてしまいそうな位置に…

運慶展 宝篋印陀羅尼経(金剛力士立像納入品)

運慶と快慶といえば、東大寺南大門の金剛力士像。さすがに巨大な金剛力士像を東京まで持っていくわけにはいかないので、その内蔵物を展示するようだ。鎌倉時代から永遠と800年近く南大門を護ってきた像とともに東大寺の歴史を見てきた経だ。 【運慶展】 …

運慶展 四天王立像

興福寺には様々な四天王立像が安置されている。その中で北円堂と南円堂の四天王が国宝(重要文化財のものが2組あり)に認定されている。南円堂のものが運慶作と推察されているので、今回はそれだけだが興福寺の四天王像を一堂に集めた展示会でも結構な参拝者…

運慶展 木造無著・世親立像

日本の肖像彫刻の最高傑作と言われているのが木造無著・世親立像。5世紀ごろに北インドで法相を確立、活躍した兄弟の彫刻だが、まず会ったことも見たこともないはずで、想像力でここまで写実的な彫刻ができるのがすごい。ただ、考えてみれば日本人に近い造形…

運慶展 八大童子立像

金剛峯寺の八大童子立像は6体が運慶作。金箔や無垢の仏像が多い中、彩色像では1,2の躍動感のある立像だ。フィギュアとして売り出したくなる出来栄えで、運慶総監督の傑作のひとつ。 【運慶展】 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ 期間 通期

運慶展 毘沙門天立像

願成就院の毘沙門天立像は運慶の真作と分かっている数少ない仏像だ。鎌倉の執権・北条氏の氏寺として創建された由緒ある寺であることから、当代随一の仏師に発注があったのが想像できる。 【運慶展】 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ 期間 通期

運慶展 運慶願経(法華経巻第八)

仏像に魂を込めるため色々な儀式が行われてから彫刻に入る。おそらくは写経をすることで気持ちを高めて長期にわたる彫刻作業の成功を祈念したのだろう。 【運慶展】 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ 期間 通期

運慶展 法相六祖像 康慶作

興福寺にある南円堂は西国三十三巡礼の一つに数えられる。そこには法相宗の高僧6名の肖像彫刻が安置されている。作者(総監督?)は運慶の父・康慶。鎌倉仏像のマッチョ感はまったくなく、写実的な出来栄えだ。 【運慶展】 レア ★★☆ 観たい ★☆☆ 期間 通期

運慶 大日如来坐像(円成寺)

春の快慶、秋の運慶。今年は仏師集団の慶派の展示が春は奈良、秋は東京の国立博物館で開かれる。すでに春の快慶展は終了し、秋の運慶展の出品リストがアップされた。 円成寺の大日如来坐像は運慶の初期の作品で、署名も残っていることから確実な運慶作である…

玳玻天目茶碗

相国寺の宝物館である承天閣の秋展の展示物の一つ、国宝の玳玻天目茶碗が期間中に一時展示されない時期がある。ちょうど国宝展のⅠ期の時期で、おそらくはそちらで展示される。一方、楽焼白片身変茶碗 銘不二山は所有するサンリツ服部美術館で国宝展の開催期…

宋磁の美 油滴天目

東洋陶器美術館の企画展・宋磁の美では写真撮影が個人利用に限り許されている。(普段は撮影NGです)関東の博物館や美術館では見かけるようになった撮影OK。東京国立博物館などの常設展でも導入されている。SNSへの投稿効果が無視できない時代になったと…

宋磁の美 飛青磁花入

大阪市立東洋陶磁美術館では企画展として宋磁の美を開催中。膨大な陶磁器の寄贈を受けた安宅コレクション(この寄贈を元に美術館を建設した)中から選りすぐりの品々が陳列されていた。そして、所蔵の国宝2点も展示されており、国宝展にも出品される。 飛青…

井戸茶碗 銘喜左衛門

孤篷庵自体、基本は非公開で数年に1度特別公開されるだけの拝観が難しい庵だ。江戸時代の名造園家である小堀遠州が建てたもので、視線の変化で部屋の雰囲気が変わる工夫などがあり、普通に見ていては気づくことができない小さいながらトリッキーな庵である…

竹斎読書図 伝周文筆

周文は相国寺の禅僧で、足利将軍お抱えの絵師だ。ただ、周文の作品で確実な本物がないそうで、南宋から元・明時代の中国画の影響を受けた素晴らしい作品で落款も押しているので本物に近いだろうとされている。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 ⅢⅣ 竹斎…

山越阿弥陀図

一個人(KKベストセラーズ)9月号には国宝への出品未発表作品で期間などの情報が掲載されているのが数件あった。その一つが山越阿弥陀図 (京博所蔵分)。永観堂にも同じ題材のものが国宝に指定されているが、前者は集団でこれから行動を起こしそうな構図…

源信展 阿弥陀二十五菩薩来迎図

地獄の反対は極楽。浄土信仰は極楽に行くためには現世でなにをすべきかを説くが、その極楽のすばらしさが分からなければ信仰心も揺らいでしまう。すばらしさを図とした阿弥陀二十五菩薩来迎図 を観ることで極楽に行きたいと誰しもが思う出来栄えである。菩薩…

源信展 雲中供養菩薩像 平等院

平等院内に極楽浄土を表現するため、52躯の菩薩が立体配置されている。その一躯を展示していたが、資料的な価値はあるものの迫力はない。六道絵がコンプ展示だったのに比べてしまうが、見劣り感が否めない。例えるならば、三十三間堂に千体の仏像があるから…

源信展 一遍聖絵

源信の思想に共鳴し、念仏布教により時宗を確立した一遍上人の絵巻が源信展・前半のはじめのみ展示されていた。路地や屋敷内など処構わず布教し、熱狂的な市井の民からの支持を初め、輿に乗る貴族からも慕われる姿が描かれていた。 期間ⅠⅡ 一遍上人伝絵巻 巻…

源信展 六道絵編

国宝展の予習として、奈良博の源信展へ行く。前期の目玉だった六道絵は国宝展へ出品されるが4幅ずつを入れ替え2回、計8幅を観ることができる。ここが国宝展の限界で、200件近いものが期間内に展示されるとはいえ、1件当たり複数が指定されている場合…

法華経巻第六(色紙)

高野山の霊山館の出品予定リストにあり。ネットで見ると東博に寄託しているようで、過去の展示歴が検索で引っかかる。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 未定 文化遺産データベース

藤原忠通筆書状案

忠通は摂政・関白を勤め、太政大臣まで上り詰めた時の最高権力者である。若いころから才能が評価される一方で、能書家と知られており大内裏の額を書くほどに評価されていた。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 未定 藤原忠通筆書状案 - e国宝

漢書楊雄伝第五十七

京博が平成27年に購入した国宝。朝日新聞を創業した上野家からの購入物で、金額は3100万円。高いのか安いのか分からないが、昨年末になんでも鑑定団に出た曜変天目茶碗(物議を醸している)が鑑定価格2500万円(最低価格とも言っていた)だったことを考…

万葉集 巻第九残巻(藍紙本)

万葉集は日本最古の和歌集で、貴族から一般人まで幅広く読まれたものを集めた。と教科書で何度も習ったが、考えてみれば実物を見たことがなかった。国宝としては東博と前田育徳会、そして今回出品される京博所蔵のものが指定を受けている。漢字と仮名が混じ…

【速報】 不動明王像 絹本著色 曼殊院

曼殊院に伝わる秘仏、不動明王像(黄不動)の腹部に小さな不動明王が描かれていると京博が7日に発表した。そして、10月の国宝への展示も合わせて発表された。 展示会まで2か月をきり、これから大きな発表が続くと思われる。 レア ★★★ 観たい ★★☆ コラボ …

金剛般若経開題残巻(弘法大師筆)(六十三行)

三筆の一人、弘法大師は様々な書体を書き分けることができる。同巻物も般若経を書いたもので、達筆すぎてなにを書いているの分からない。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 未定 金剛般若経開題残巻〈弘法大師筆/(六十三行)〉 文化遺産オンライン

千手千眼陀羅尼経残巻(天平十三年七月十五日玄昉願経)

千巻写経したにもかかわらず現存はこの1巻のみ。東大寺の記録には納経したことが記されていたが、これが見つかったことで納経したことが証明された。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 未定 千手千眼陀羅尼経残巻(玄ぼう願経) - e国宝

浄名玄論

国宝になる重要な要素は、どのようなものであるかとともに、その物の制作年代である。とても良いものでも制作年代が新しければ同様の古い物から指定されるし、古いからと言って良くないものは指定されない。その意味で、書写年代が明らかな日本最古の仏典で…

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。