ついに三井にも刀剣女子が来襲することになる。
2020年11月から1月に、国宝の名刀「日向正宗」と武将の美を開催。三井記念美術館の冬展の定番である雪松図を押しのける形での開催となる。
各地で刀剣乱舞コラボによる刀剣展が開催されているが、客入りが見込めるキラーコンテンツとなっている。三井家の秘蔵武具の数々をぜひ見てみたい。
レア ★★★
観たい ★★☆
東博での正倉院展は実物大の正倉院の模型が展示してあった。展示というより設置の方がふさわしい大きさだった。東大寺の北のはずれにある正倉院は平日の昼間に一般公開されているので、気軽に見に行くことが出来る。ただし、あくまでも観るだけで近づくことができない。なので、今回の実物大展示で改めて大きなものであることを再認識した。2020年4月には奈良国立博物館でよみがえる正倉院宝物ー再現模造にみる天平の技ーが開催されると発表があり、正倉院の複製に再開に期待が持てる。
さて、正倉院展では法隆寺の献納品が展示されいた。こちらも2020年3月から東京博物館で法隆寺金堂壁画と百済観音が開催されるので、そこへの出品が期待できる。
いつもは東博のすみっこにある法隆寺館に展示している品が正倉院の品々とともに展示していた。どれも1300年の歴史があり、日本の文化財に対する永続的な保護思想があってこそ。国宝の竜首水瓶も普段は法隆寺館の数多ある品々の1点で、下手をすれば見逃しがちだが、単独で陳列されるとフォルムの美しさが際立つ。特別展にわざわざ展示することもないと思っていたが、たまには常設と違った展示で魅せるのもよい。
明治以降の製造物で国宝指定2例目(第1号は迎賓館赤坂離宮)となった富岡製糸場。近代日本の礎を築くため、外国へ輸出するキラーコンテンツと白羽の矢が当たった生糸を大量生産するために作られた施設である。
明治政府は維新の御旗のひとつである開国をなしえたことで、海外との経済格差を埋めることが最も重要な施策となった。現在においても資源に乏しい日本経済は輸出貿易の強化以外に高度経済成長を見込めない。また、一方的な輸入超過となると植民地化まで考えられ、鎖国した徳川幕府への武家政権復古運動に繋がりかねない。そこで国を挙げての輸出品の推奨生産を実施した中で、富岡製糸場も誕生した。
さて、国宝建築物として、歴史的な建物で日本近代化の起点であるのは理解できるが、他の建築物に比べて美術的要素が乏しい。工場なので仕方がないが、歴史遺産的な意味合いが強い。国宝指定の中でも、美術的要素と歴史的要素、資料的要素などカテゴリーあればよいのだが、すべて単一の国宝とすると美しさを求める美術ファンには物足りない施設となっている。ユネスコの世界遺産指定が国宝指定を決定づけたのは間違いなく、今後も世界遺産関連に注目することで国宝をより素早く観に行きたい。