国宝展では清涼寺の十六羅漢像の十六幅すべてを展示していた。今回は2幅のみ。
十六羅漢といえば、最近の京都の非公開では大寺院の山門に登る企画がある。大きな伽藍を持つ寺院の巨大山門を登った中腹部分にある楼上内陣には天井壁面画とともに仏像彫刻が安置されていることが多い。その中には十六羅漢も含まれており、リアルな老人たちの彫刻が日々寺院に参る人々を見下ろしている。
彫刻よりもリアル感は欠けるものの、清涼寺の掛け軸の羅漢たちも一見するとおどろおどろしい。十六羅漢は禅宗で尊ばれおり、修行により痩せこけた老人たちが、なにか説教臭く描かれている。禅だけにそれぞれに意味があるはずだが、気にせず鑑賞した。