清凉寺の十六羅漢図像は東博の東洋館に2幅展示されていた。東博所有の国宝・十六羅漢図像も本館で2幅、時期を合わせた形で展示していた。清凉寺のものは京博と分けて寄託されているので、国宝展で一度にすべてみられたことは貴重な機会だった。
十六羅漢は仏陀の弟子16人を描いたものでヒョロヒョロの老人ばかりで見栄えがしない。観音様や花鳥風月など派手な作品ばかり見慣れるとおどろおどろしくも感じる。そもそも十六羅漢は寺院などの信仰の対象として崇める分には雰囲気があり申し分ない。薄暗い本堂で念仏を唱える中では十二分に効果ある図柄だ。それを寄託品とは言え、しっかりとした照明の元で見るのがナンセンスなのかもしれない。