様々な国宝建築や世界遺産があるなかで、厳島神社はオリジナリティーにあふれている。
まず、建物が海に突き出ている部分。高潮などで幾度も被害にあっているが、その構造を変えることがないこだわり物件。海に突き出ているにも関わらず、その裏手はすぐに山があり、海山ともに守り神となっている。
建物は朱色に統一されていて春日大社を彷彿する彩り。この朱が世界的にもめずらしい海の中の木製大鳥居にも使われており、厳島神社と海の関係性を物語る。神社の本殿を囲むように回廊が張り巡らされ、その海側には舞を踊る舞台が造られていることから、海の神と背景の山に奉納を目的として建てられたのだろう。
厳島神社にはこの他にも国宝を多数所有しているが、宝物殿にはレプリカの展示のみで、本物を常時観賞できるようにしてほしい。