国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

御室相承記 仁和寺

仁和寺は将棋の竜王戦を対局する場所としてここ数年、注目を集めている。今年も開催されることに合わせた展示と、夏の霊宝館の名宝展に合わせて行った。

まずは、京の夏の旅で特別公開している御所庭園へ行く。白書院が工事中だったが、御殿で戦った竜王戦棋譜と戦った棋士のパネル、封じ手が展示されていて、将棋好きにはたまらない内容であった。また、黒書院では堂本印象による襖絵の公開していた。こちらには国宝はないが、池を隔てて見る借景は国宝級であった。ただ、白書院の工事現場を隠すためのタペストリーに国宝仏像たちの写真が使われていたので、なんとなく国宝巡りをした気分にはなった。

特別公開のチケットを買う時に霊宝館の共通券で購入したので、一通り御殿を楽しんだ後は霊宝館へ行く。こちらは御殿と違ってエアコンの効いた涼しい環境で見学できた。

夏の霊宝館の名宝展は修理された仁和寺の宝物と題して、絵画や書跡で展示できるレベルまで修復したものを並べていた。国宝では御室相承記が最初の方に展示されていた。仁和寺を開基した宇多法皇から第七世道法法新王までの記録で、鎌倉時代に書かれたものである。原本はかなり朽ちており裏打ちして補強、展示できるレベルまで復旧していた。名宝展には結構な頻度で展示されているが、修理されたものとしての視点で見ることはなかった。朽ちてきているままならば、開くことも容易ではないので、文化財を未来につなげるには最重要のミッションであることが分かる。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。