鹿をいじめる外国人観光客の動画がバッシングを受けていたが、それはアクセス数がマネタイズされるからで大きな弊害である。アクセス数を正統に稼ぐのは奈良の文化財は最適で、かなりの数のインバウンド観光客が来ている。鹿が街中を闊歩するのは珍しく(日本でもそれほど多くないが)、動画を撮りながらはしゃいでいる団体があちらこちらで見かけた。
奈良博の夏の企画展である日本の神さまのびじゅつは分かりやすい解説がついているので、訪日外国人たちにも好評のようだった。とはいえ、なかなか神道は理解しにくく、美術品に派手さがないものが多い。
その中で、奉納品はかなり見栄えがした。国宝の熊野速玉大社古神宝類は神様へお供えするため豪華絢爛に造られている。箱は蒔絵できんきら、その中に日常使用する化粧具が当時の最高技術で作られたものたちが納められていた。櫛はそれ自体も蒔絵がされているだけでなく、櫛の歯の隙間が非常に狭く職人技が冴える出来栄えとなっていた。超一流の技術が神様に捧げられた美術であることが一目見て理解できる代物であった。