国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

称名寺聖教 称名寺

3月下旬より金沢文庫で開催されている「国宝文選集注といただきもの!?」展にようやく行くことが出来た。春休みやゴールデンウィークは鎌倉や横浜などで観光を楽しむ人であふれていると思い二の足を踏んだため、遅まきながらの遠出となった。

金沢文庫には2018年の春以来の訪問で、京急金沢文庫駅構内が少し明るくなったように思えたが、金沢文庫までの道中はほぼ変わりなかった。前回は称名寺境内から金沢文庫へ入る王道スタイルの入館だったが、今回は駐車場から入るルートを選択。近さからだと駐車場からの方が早いが、トンネルをくぐって文庫の建物が見えてくる方がなんとなく寺内の博物館へ来たという高揚感が得られたので、おすすめは境内から入る方だ。金沢文庫自体は近代的なコンクリート製の建物で、駐車場口から入ると普通の博物館へ来ただけの感覚になる。

さて、特別展は2階で開催していたが、1階では小企画として神奈川県立金沢文庫資料にみる中先代の乱を開催していた。そこで、国宝の称名寺聖教の中から、顕宝伊豆国修善寺再興顕文案と華厳演義抄纂釈を展示していた。いずれも後の世の中でよく読まれた伝記などの一次情報として原本が称名寺に残っているというもの。鎌倉時代の貴重な資料がいまも引き継がれているという点で国宝となったものである。鎌倉のよう大都会にあると合戦などで盗まれたり焼かれたりしたかもしれない。金沢文庫が静かな住宅街の中にあるのは必然の立地なのだろう。

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。