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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

文選集注 称名寺

金沢文庫の2階では国宝文選集注といただきもの!?展を開催していた。

いただきものとなっているが、要は寄贈品のこと。文選集注を永遠に寄託を受ける条件として、それを地域で保管するというもので、県立の施設を作って金沢文庫が復興した。金沢文庫が誕生したことで、地域の有力者が集めた文化財が集まるようになった。

普段、展示物を見るのに誰が入手したかや寄贈品であるということなど気にすることはない。最近の博物館や美術館では寄贈者の名前などを冠して〇〇コレクションなどを解説に別途記載することがある。ただ、あくまで自館蔵として公開している。茶器や刀は来歴を非常に重視するので、公開時に説明をよく読むことが、文化財となるとあくまでそのものに興味があるので、寄贈者までに目が届かない。今回のような展示会があると、集めた人まで見えてその人たちの人生を垣間見えたのが面白かった。

称名寺からの寄託品である文選集注の展示は最終版だった。時期により公開巻が違う。広げていたのは三国志でお馴染みの曹操などについて書かれた部分だった。文選は中国古代の歴史を集めたもので、解説を書いたのが集注となっている。すべて漢字で書かれているが、時代を経ても読むことができる。平安貴族たちの参考書であり、鎌倉武士たちも教養を高めるために読んでいたものである。

さて、今の金沢文庫は神奈川県が復興したものだが、元々は鎌倉時代の北条一族が造った文庫があり、称名寺が細々と受け継いできた。書物などに金沢文庫の印が押されたものをたまに見るが、北条家の衰退により流出したものである。クラウドファンディングを通じて収集を進めているが、散逸したものを地域の文化財として守っていく意気込みが感じられ、面白い取り組みとなっている。資金集めを兼ねた大規模な金沢文庫の世界展が企画されたら、見に行きたい。(神護寺印や仁和寺印など有力な寺社が押した蔵書印展でも面白そう)

国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。