武蔵御嶽神社の奥之院まで行くことは時間的に難しかった。そのため遠くから拝もうと山を臨むと紅葉で色づいた山肌(写真)が見えた。急に寒くなったが木々は敏感に反応していた。
さて、宝物殿の続き、2階に国宝の赤糸威鎧 兜・大袖付が中央にあったが、階段から対角線上の端には国宝の円文螺鈿鏡鞍があった。国宝の鞍では永青文庫の柏木莵螺鈿鞍と時雨螺鈿鞍が有名で、美しい意匠は永青文庫の方が勝る。御嶽神社の円文螺鈿鏡鞍は単調なデザインで、簡単に作れそうな感じがする。しかし、鎌倉時代の作で馬具一式が揃うのは珍しい。山の中の神社だけに戦災などで失われなかったことが幸いした。失われずそのままという意味では鍍金長覆輪太刀や黒漆鞘太刀 銘宝寿など摺り上げがされずに鎌倉時代に作られたままの太刀が残っていた。鎌倉時代が止まったままの宝物を見れたのは山の上まで登った御褒美である。宝物殿を出て参拝し、先に述べた奥之院を遠くから拝み終えると急いでケーブルカーの御岳山駅へ。無事に目的時間に到着して、麓へ降りる。10/21の中央線切替工事前に甲府行へ乗ることが出来た。