静嘉堂@丸の内の第2室は入り口からは対面となる。こちらは大陸から渡ってきた品々を展示。前期に訪れたので宋~元時代のものが中心だった。伝馬遠筆の風雨山水図や伝 夏珪筆の山水図が並ぶ中、伝牧谿の羅漢図がお気に入り。牧谿特有の薄墨を用いた背景は長谷川等伯の松林図屏風に通じる。羅漢の瞑想の深さと背景がシンクロして、見ていて引き込まれそうだった。ほかにも景徳鎮の磁器、油滴天目などの陶器も並ぶ。
どの展示会でもユニークさが際立つ国宝が因陀羅筆の禅機図断簡である。真面目に描いてはいると思うのだが、その構図や顔の表情がなよなよとして力強さが全く感じられない。禅道に通じていないためなのか、見ているとなぜか心がざわつく。綺麗や美しいとは対極にあると思える水墨画で、しかもおじいさんしかいないにも関わらずである。禅特有の説教臭さが感じないためかもしれない。