国宝を観る

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銅像釈迦如来倚像 深大寺

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東博での最澄天台宗のすべて展の最後コーナーにしてインパクトが最もあったは深大寺の彫像である。

国宝の釈迦如来倚像は以前、現地まで見に行った。東京都内とは言いつつも郊外にある寺院で電車の駅前とは遠く離れていることから再開発とは無縁ののんびりした場所にあった。境内には自然が残っており、都心からほど近い心のオアシス的な役割を果たしている。

深大寺の釈迦如来倚像が国宝指定を受けたのは2017年で比較的新しい。この銅像を保管するために単独の建物が作らていた。人気者故にガラス越しに列をなして見る姿は動物園のパンダでも見るような風景だった。当時見た感想は比較的大きな像だと思ったが、今回東博で見ると小さく思えた。60センチメートルの坐像なので、他の1メートルを超える仏像たちを観賞した後だったからかもしれない。もともとは表面に鍍金がされていたそうだが、火災で剥がれたため近くで見ても失われていた。衣服のひだひだしたウェーブの造作はとてもよい。法隆寺の夢違観音にも見られる技法で飛鳥時代に高い技術があった(日本に合ったかは分からない)のには驚きである。

さて、この釈迦如来倚像が小さく感じたのにはもう一つの理由がある。秘仏の元三大師像が205年ぶりに上野へ出開帳したためだ。なかなか寺外へ出れない理由は2メートルを超える大きな像であるためで、深大寺の解説でも「肖像彫刻の古像として日本最大の法量を誇る」と書いてあり、おそらく生きている間は二度と寺外へ出ることがないと悟ったからだ。

さて、元三大師像はかなりデフォルメされている。等身がおかしくなるぐらい顔がでかい。お堂内ではこれぐらいの顔の大きさがないとはっきりとは見えないのかもしれないが、単独で展示されると違和感がある。

この違和感をどこかで感じたことがあると思ったら、写真にある笑点50周年展で見た桂歌丸さんのデフォルト人形にフォルムがそっくりである。歌丸さんが現代の元三大師となって笑いというご利益をふるまっていたとすれば納得だが、果たしてそこまで考えて制作されたかは疑問である。

国宝は2017年10月3日~11月26日が会期で無事終了した。 この展示会に出ていない800件以上の品々も見ていきたい。