国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

懸守 四天王寺

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聖徳太子遠忌1400年記念展示会が開催される2021年。この聖徳太子の数々の伝説のひとつで、その地位を確立した事変が物部氏との戦に勝利したことだ。廃仏派の筆頭で武を司る地位にあった物部氏が、崇仏派であった蘇我氏と戦い、蘇我氏に味方した聖徳太子が勝利に貢献した。その時に勝利した暁には四天王を祀る寺院を作ると願をかけたことから出来たのが四天王寺である。

この四天王寺は日本最初の官営の寺院であり、推古天皇社会福祉政策の実行機関でもあった。時代が経ってからも空海親鸞などのそれぞれの時代の仏教界の巨人たちが聖徳太子に帰依した。そのため、現在まで大阪の中心にあってもなお、四天王寺は大寺院として存立してきた。しかし、戦争の空襲では絶好の的となったため、ほとんどが火災に遭い、建物はコンクリート製で再建されている。

遠忌である2022年4月8日まで、カウントダウンとなった今年の寺宝展春では懸守が登場。いつもの通り宝物館2階で特別企画は開催されていた。国宝は階段上って奥のスペースに陳列されることが多いが、今回は階段横のスペースに展示してあった。俵型のお守りで持ち運びを前提に造られている。可愛らしいお守りなので、四天王寺でそれに似せたものを作ったら売れると思う。今年一年の四天王寺寺宝展が楽しみになる出だしであった。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。