昨年11月に答申があった国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定等の対象物を展示する企画展が東博で開催された。コロナ前までは4月下旬からゴールデンウィークにかけて開催だったが、コロナで答申の時期が変わった関係からか真冬の開催となっている。
さて、同企画展は東博内で開催されることもあり、国宝や重要文化財の指定を受けた中でも、展示されるのは美術工芸品だけである。指定を受けた中には建築物(不動産)もあるが、さすがに運ぶことが困難だからだ。(不動産の指定でも移動できるなら展示は可能)
新たに国宝指定を受けたのは4件。その内、三の丸尚蔵館所蔵の3件はパネルでの展示となり、実質1件と寂しい内容となった。それを補うためか、すでに国宝の指定を受けているものに追加された智証大師関係文書典籍が短期間であるが、展示されていた。国宝の件数自体に影響はない。
さて、智証大師関係文書典籍は新たに国宝に追加された資材目録を展示。とはいうものの、お役所へ提出するためにきっちりと書かれたものではなく、あくまでも園城寺で利用するために流れで書いている。なので、写経のような丁寧さはあまりなく、これまで国宝指定を受けていなかったのも、その辺りにあるのかもしれない。