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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【大和文華館】雪中帰牧図 李迪筆

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和文華館が誇る名品は日本の物ばかりではない。李迪筆の雪中帰牧図は水墨画の名作で、画面から冬の凍てついた寒さと牛の歩みの遅さにも関わらず、牛飼いからは家に帰るという気楽さが伝わってくる。所有者は足利義尚から後藤祐乗へ下賜され、井伊家、益田鈍翁の蔵となり、近鉄所有となった。双幅でひとつであるはずのなのだが、隠し落款の違いなどからひとつが国宝で、片方が附けたしとなっている珍しい逸品だ。

このほか、何度見ても飽きない雪村周継筆の呂洞賓図や、笠置曼荼羅図、埴輪男子立像などの重要文化財を惜しげもなく展示している。外には写真の文華ホールがあり、辰野金吾の設計により建てられた奈良ホテルのラウンジの一部が移築したものも見ることができる。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。