写経に念を込める手立ては色々ある。丁寧な字で一字ずつ書くのはもちろん、書いた紙を綺麗に表装するなど、念を込める手段は様々ある。
その中でも書いた文字の一字ずつに蓮型の台の絵を描く一字蓮台法華経は文字と装飾のコラボ写経の最高峰となる。写経だけでも大変なのに、その字のすべてに絵をあしらうことで丁寧さは抜群。見返しの部分のやまと絵も一級品の絵画となっており、よほどの念を込める必要があったのだろう。納経した人の願いが叶ったかは分からないが、現代の人々の目を楽しませているので、きっと納経者も成仏していることだろう。