国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

納涼図屏風 久隅守景

久隅守景の作品で一番最初に知ったのが納涼図屏風であった。そのため、ゆるキャラの画家なのに国宝に指定される稀有な人というイメージがあった。

ところが調べると久隅は狩野探幽の高弟で、狩野派の流れを汲む画家であった。そのまま行けば宮廷画家で大成功だったのが、探幽の姪とも結婚して狩野派の棟梁にも手が届く勢いだったが、師匠の下を去ってしまった。

その下地があるにも関わらず、田園風俗画を描く境地に至った。おそらくは狩野派の流れであることを知られないために画風を変えたのだろう。それが西洋では自然派のミレーが誕生したように、日本にも自然派が誕生した証となり、納涼図屏風が国宝になった所以かもしれない。

観れば観るほど長閑な風景が広がっている。大抵の国宝は緊張感ある整ったものばかり。東大寺の試みの大仏と双璧をなすゆるさである。

www.emuseum.jp

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。