ぶらぶら美術・博物館の日本画10選で、時系列的に最初に紹介されたのが東博所蔵の普賢菩薩像である。
平安時代の作品にも関わらず、彩色がほとんど剥げ落ちずに残っており、大切に保管されてきたことが窺える。顔立ちは奈良時代に多く描かれたふくよかさはなく、(乗っている白象もだが)鋭い眼光と派手さはないが高貴さを表す装飾が散りばめられており、異国情緒を感じる仏画に仕上げっている。大倉集古館には木造の普賢菩薩像が国宝に指定されているが、象の目つきは東博所有のものと同じように鋭い。平安時代の人々が象を間近で見たことがないので、同じ形式になったのだろうが、まん丸で可愛い目の実物を見てしまうと表現も変わっていたかもしれない。
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