国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【国宝】燕子花図屏風 尾形光琳筆

琳派の最高傑作のひつとで、Ⅳ期最大の見世物。尾形光琳の燕子花図屏風が100年ぶりに京都へ帰ってきたと喧伝しているが、これだけ交通網が発達した時代なのだから、その気があれば帰って来られただろう。

宗達風神雷神図よりはましだが、近くで観ると劣化してきている部分がある。江戸時代中期までの保管方法に問題があったのかもしれないが、気になってしまう。

さて、先日まで出光美術館で開催されていた「江戸の琳派芸術」に酒井抱一の模写が展示されていた。それと比べると、抱一の燕子花はシャープな印象があったが、光琳のは花々や葉っぱがふわっとした印象が残った。琳派を確立して以降の作品が多かった出光での展示会は整った完璧作品のオンパレードだった。宗達のユーモラス感から、光琳の代にまじめさが加わり、酒井抱一や鈴木其一の代になると堅物なまでの実直さに変化した。光琳が創作や模写したものを、後世の画家たちが模写の題材として選ぶのはそれだけ魅力があるからだ。画家が惚れる尾形光琳の作品なくして琳派なし。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。