パソコンやスマホで文字を打つことがほとんどになったため、文字を書くことがほとんどなくなった。読み書きそろばんが勉強の基礎だった時代から、読み打つエクセルの時代に変化した。
真草千字文は書道の手本書。楷書と草書がそれぞれ書かれていて、それを見て書き写す。その手本中の手本として書聖王羲之の7世の孫・智永が作ったものだから、国宝になるのは当然。ましてや世界に真書として残っているのが、出品されているもののみだったら、漢字文化圏の東南アジアの宝といっても過言ではない。
ただ、文字がフォントになってきつつある過渡期に、真草千字文を観ると複雑な思いがあった。すぐに変換で超一流の字が出力できる。最近まで当たり前に習字をしていたのが遠い昔のことになっている。文化は日々変化していることを改めて実感した。