国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

絵巻物

一遍聖絵

新興宗教が拡大するにつれて、その開祖の自伝が書かれることがある。それが書籍だったり、絵物語だったりする。中世に起こり、現代まで続く有名宗教の開祖たちは絵巻物になって、その実績を伝えている。なかには国宝になっているものある。 その中で一遍聖絵…

源氏物語絵巻

地上波や衛星でのテレビ放送で美術を扱う番組は多くはないが複数ある。そのなかで、歴史と格が最も高い番組はNHK・ETV(教育テレビ)の日曜美術館であることは疑いようはない。エンターテイメントよりで、分かりやすく美術を解説する番組とは一線を画…

粉河寺縁起絵巻 粉河寺

粉河寺縁起絵巻の見た目の特徴は上下の一部分が焼けてしまって失われている。絵を見る分には問題なく、絵巻物としての出来は素晴らしい。ストーリーは西国三十三所の3番札所である粉河寺の始まりと説話が描かれている。 後半の説話部分に出てくる長者は塩川…

紙本著色法然上人絵伝 知恩院

昨年の今頃は新元号の発表があり、お祝いムード満載だった。また、令和おじさんが誕生した記念すべき日であった。 ところが、1年年後の本日は自粛ムード一色。新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止・延期となっている。京都国立博物館の企画展と…

鳥獣戯画 

東京国立博物館のオリンピック期間中の展示は鳥獣戯画で勝負する。 香雪中之島美術館での明恵展でも展示のあったが、今回の展示の目玉は全四巻一気に見せます。ほかの動物作品とのコラボが行われるようで、若冲の鶏や応挙の子犬、曽我蕭白の龍など、名品が惜…

国宝 源氏物語絵巻 五島・徳川美術館

2020年は東京オリンピック開催で都内が大混雑が予想されるにも関わらず、国宝出品の(可能性がある)展示会が目白押し。 五島美術館の源氏物語絵巻全巻魅せますは5年ごとに徳川美術館と交互に開催している展示会。西暦で×0年は五島美術館の開館記念と…

四季山水図 (山水長巻) 雪舟筆

山口県防府にある毛利博物館。戦国大名で長州藩を率いた名門・毛利家の邸宅と庭園を公開しつつ、所有していた名品を公開している。博物館と言いつつも、邸宅公開が中心。明治政府をけん引した長州藩ではあるが、政治の中心から距離的にある防府の地では豪華…

一遍聖絵

企画展では絵巻物の一部しか展示されないことが多い。その点、特別展でしかも展示される絵巻物の冠展示はすべてを展示してくれる。ただ前期後期で巻替えが行われることが多いが、気の利いた展示場は展示されていない場面の複製を展示してくれており、絵巻物…

【明恵】鳥獣戯画

国宝の絵巻物で現代人にも親近感が涌く作品が鳥獣戯画だ。ウサギやカエルなどが滑稽な動きで描かれている作品で漫画の原型になったと言われる。 その鳥獣戯画は甲乙丙丁の4巻からなり、引用されることが多いのが甲乙の巻である。中之島の香雪美術館で開催さ…

一遍聖絵

時宗を起した一遍上人の七百年遠忌記念の展覧会が京都国立博物館で開催している。 https://www.kyohaku.go.jp/jp/special/index.html 宗教家の遠忌にちなんだ展覧会はこれまでも数多く開かれている。というよりも遠忌に合せて企画が進んでいるので、この時期…

【醍醐寺展】絵因果経

昨年、東京のサントリー美術館で開催された「醍醐寺展」が九州博物館で巡回展として開催されている。 真言宗系の展示会は仁和寺展、大報恩寺展があり、今春には東寺展があるなど積極的に開催している。真言宗が歴史的に天皇家に近いことから貴重な文化財が多…

【五島美術館】源氏物語絵巻

美術館や博物館、寺院などでは大型連休中だけ客集めたため目玉となる名品を陳列したり特別公開することがある。五島美術館でも今春の優品展を開催している最中、この連休中のみ国宝の源氏物語絵巻を特別展示をしている。 詩と絵の部分を断裁して、板に張り付…

【四天王寺】扇面法華経冊子 観普賢経 扇11

扇面法華経冊子は国宝展でも2種類展示があった。四天王寺は5帖所有しており、今回は国宝展に展示されなかったものをピックアップして展示していた。 観普賢経 扇11は桜花訪美人図があしらわれている。無味乾燥な経を華やかな桜に美人絵をコラボレーション…

【国宝】一字一仏法華経序品

寺院に写経を奉納することは多く、国宝指定を受けているものも多い。その中で、写経なのにかわいらしいのはこれだけかもしれない。 写経した文字一字に対して、一つの仏を描くことで、写経に対する熱心さを表している。その意気込みに対して、仏がすべてかわ…

【国宝】源氏物語絵巻 柏木

2年前、徳川美術館開館80周年記念で、源氏物語絵巻国宝全巻を展示する企画展があった。五島美術館のものと合わせて展示する企画で、徳川美術館が西暦で末が5の年、五島美術館が末が0の年に行われているそうだ。つまり5年おきに開催されているようだ。 今回…

法然上人絵伝

台密から派生し、庶民に急速に普及した浄土思想。源信により死後の世界の体系化されたものを法然が分かりやすく伝えた。その伝えた法然を称え、その足跡を絵巻物にした。まんが偉人伝の先駆け。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 Ⅱwww.kyohaku.go.jp

華厳五十五所絵巻

信徒に見せて理解を深めるための造られた。それにしては難しい讃文が書かれている。絵が分かりやす分、詩で威厳を保っているのかもしれない。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 Ⅱ 華厳五十五所絵巻 - e国宝

粉河寺縁起絵巻

西国33か所の一つ、粉河寺の由来や来歴を絵巻物にして分かりやすく解説したもの。(絵巻物の)物語シリーズののように多彩な色や貴族の優雅さはない。牧歌的な絵巻物だ。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 Ⅰ www.kyohaku.go.jp

寝覚物語絵巻

寝覚物語絵巻は平安王朝を描く絵巻物シリーズのひとつ。ただ、現存しない部分が多く、源氏物語などに比べ知名度が劣る。 レア ★☆☆ 観たい ★☆☆ コラボ ★☆☆ 期間 ⅢⅣ www.kintetsu-g-hd.co.jp

絵因果経 上品蓮台寺

絵因果経は難しい経を絵解きで解説する絵巻物の元祖。高僧たちの研究材料としてだけ経典があるのならばこういったものは必要ないが、貴族などのパトロンたちに理解してもらいお布施で寺を維持するためのアイテムとして誕生したのだろう。誰ば観ても分かるの…

源信展 病草紙

病草紙は京博所有。人間が病に掛かる前兆現象をデフォルメして描いている。いわゆるマンガ的な表現になっているので、見た人に分かりやすい解説本になっている。庶民が観ることのできる代物でないので、おそらく貴族の教養が低下したことに伴う措置だったの…

源信展 地獄草紙

2回目の源信展。国宝展の予習作品が2点展示されていた。奈良博所有の地獄草紙は地獄の使者、火の鳥がインパクト大。人気の場面だけあって絵が剥げ欠けている部分が多いが、火の鳥の迫力は健在。ファンタジーゲームにそのまま出てきてもおかしくない出来栄え…

一遍聖絵 円伊筆

一遍上人は鎌倉仏教の教祖では唯一比叡山での修学経験がない。しかし、仏教を深く信仰した結果、踊念仏にたどり着いた。念仏と踊りの融合はトランス状態を生む現在のレイブに相当する。レイブ風景を動画サイトに投稿したものが国宝となったと思うと、観るだ…

信貴山縁起絵巻

奈良と大阪を遮る生駒山。海のない奈良は都があった時代から海のある難波へ行き来して、大陸文化を吸収した。奈良と大阪をつなぐ道は最古の街道・竹内街道が南部にあるが、山岳を超える北部コースに信貴山がある。大阪側のコース麓には藤原氏と縁の深い平岡…

扇面法華経冊子

絵巻物は長尺のため、一気に観るには不向きである。そのため、多くのものが気に入った場面だけを切り取り、扇や軸など見やすい大きさに加工してします。加工すると価値が下がるが、それでもよいものは良い。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ コラボ ★☆☆ 期間 Ⅲ・Ⅳ※展示…

源氏物語絵巻

日本で最も知られた恋愛物語。社会の授業での印象が非常に悪い(ただ覚えさすだけ)なので、本質が分からないまま毛嫌いしている人が多い。しかし、伝わってきているということは本物を観れば読みたくなる。 レア ★☆☆ 観たい ★★☆ コラボ ★☆☆ 四大絵巻物 期間…

絵巻物(予想)

日本特有の美術、絵巻物。巻数が多いものなどはそれぞれ出品しやすそうなので、まだまだ増えそう。法然上人絵伝や玄奘三蔵絵、紫式部日記絵詞あたりは、次回発表時に出品確定となりそうだ。 出品発表済み 国宝 扇面法華経冊子 5帖のうち2帖 (四天王寺) 【 …

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。