国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

源氏物語絵巻

地上波や衛星でのテレビ放送で美術を扱う番組は多くはないが複数ある。そのなかで、歴史と格が最も高い番組はNHK・ETV(教育テレビ)の日曜美術館であることは疑いようはない。エンターテイメントよりで、分かりやすく美術を解説する番組とは一線を画す、硬派な番組構成は初心者には少しついていけない場面もあるが、興味を持ったテーマを観るならば一番詳しく解説してくれるのでありがたい。

さて、コロナの影響で新規の撮影がままならないようで、6月のテーマは日曜美術館から美の贈り物。日美45年の歴史より「日本絵画傑作15選」と題して、古代から近世までの15作品をピックアップして、3週に分けて特集している。

15作品のうち、国宝は10点で、残り5点は3点(正倉院1点、宮内庁三の丸尚蔵館2点)が天皇家ゆかりの御物、2点は未指定となっている。

チブサン古墳と鳥毛立女屏風は古代の壁画と大陸文化を今に伝える代物。そして、これらの文化を吸収して作り出された国風文化の最高傑作が源氏物語絵巻である。もっとも読まれている小説のひとつであり、女流作家創世記の大スターが書きあげた源氏物語に、日本画の原点となるやまと絵による絵巻物に仕上げた大傑作である。古代から中世にかけての絵図は宗教画が大半で、文学作品を絵巻物にすること自体が珍しい。平安貴族の風土を今に伝える貴重な資料にもなっている。

この国宝・源氏物語絵巻五島美術館徳川美術館が所有しており、5年ごとに各館交代で全巻公開の特別展を開いている。2020年はその当たり年で五島美術館の番である。はやく公開される晩秋が来てほしい。

 

www.gotoh-museum.or.jp

www.tokugawa-art-museum.jp

 

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。