国宝を観る

国の宝を観賞していくサイト

国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

【東博150年】法隆寺献物帳

法隆寺から皇室へ献納された品々を保存するという事業は戦後に皇室から国へ移管されたことから東博で行うようになった。一般公開は1964年からで、1999年の現在ある建物(2代目)ができて大々的に公開されるようになった。

法隆寺から皇室に献上された品は300点余りだったが、その前の大昔に皇室から法隆寺へ献納があった。その目録帳が国宝となっている。

聖武天皇は756年5月2日に崩御した。その皇女であった孝謙天皇が同年7月8日に、聖武天皇遺愛の品々を東大寺以下18の寺に献納して冥福を祈った。その目録が皇室に献納された。

この帳面があることで聖武天皇の多くの遺愛品が保管されている正倉院宝物と同じ時期にあったものと証明された。限られた時期にしか見ることができない正倉院宝物と同根のものが法隆寺宝物館では見ることができるということになる。貴重な書であるばかりか歴史的資料として価値が高い。

レア★★☆
観たい★★☆
コラボ★☆☆

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【東博150年】木画経箱

菱形に組んでデザインされたシンプルな箱。源流は古代エジプトやペルシアのモザイク技法で、シルクロードを通って隋・唐時代に発達した。東の端の日本にたどり着いた技法としてだけでなく、表面全体に菱形と三角形に切った沈香の薄板を貼り詰め、その合わせ目に象牙の細線で黒檀を挟んではめ込み、斜格子文様を表している手の込んだ細工も必見。

レア★☆☆

観たい★☆☆

コラボ★☆☆

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【東博150年】海磯鏡

単独で国宝指定を受けている鏡は香取神社海獣葡萄鏡と大山祇神社の禽獣葡萄鏡、そして法隆寺献納物である海磯鏡の3件である。

今は携帯電話など日常品でも鏡面加工がされて、鏡の代わりになるものが沢山ある。しかし、古代の鏡は超貴重品で、庶民が持つことはできないばかりか宗教行事用や一部の特権階級しか所有できない代物であった。そのため、高級感を出すために鏡の裏面の加工は複雑で立体的に作られている。携帯電話をデコレーションする女子ではないが、古代の鏡はデコモリモリで、そこに意味を付けて作っている。鏡としての来歴だけでなく、デコレーション部分が評価されているのだから、ファッション以上の意味を持つデコ携帯が文化財になる日も遠くないと思って観ると、より愛おしく感じるかもしれない。

レア★☆☆
観たい★☆☆
コラボ★☆☆

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【東博150年】墨台, 水滴, 匙

銅板に金メッキした金銅製の文房具たち。当時、文具はハイテクツールだったので誰もが持てるものではなかった。文房四宝と呼ばれ、教養を満たす道具として重宝されていた。記録によると日本には610年に朝鮮半島から招来した。仏教に積極的な聖徳太子三経義疏を執筆にあたり使われたとされるハイテク道具が国宝となっている。ただ、製作年代が8世紀とされるので、本当に使用したかは不明。

レア★☆☆

観たい★☆☆

コラボ★☆☆

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【東博150年】竹厨子

奈良時代には箱型のものを厨子と呼んでいた。現在ならば仏像などを安置するいれもののことを指す。

厨子聖徳太子の遺品として法隆寺に伝わってきた。竹細工の箱と言われると思い浮かぶのが民芸品だが、素朴な形状を除いては一級品の技術によって作られている。官芸品(こんな言葉があるのか分からない)として8世紀では貴重な鉄製金具が使われるなど、装飾より実用を重視した国宝である。

レア★☆☆

観たい★☆☆

コラボ★☆☆

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【東博150年】聖徳太子絵伝 秦致貞筆

釈迦の一生を描いた絵因果経は3件が国宝指定を受けている。巻物状で作られ、各地で説法するために利用されていた。聖徳太子絵伝も太子の一生を絵解きするためのもので、こちらは板状のものに描かれており、障子絵だったものを屏風絵に改装。大広間で多くの人へ解説するのに使用されていた。聖徳太子信仰の重要な道具であり、国内で作られた絵画としても見ごたえがある。現存する聖徳太子絵伝のなかで最古のものである。

レア★★☆

観たい★★☆

コラボ★☆☆

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【東博150年】細字法華経

法隆寺は言わずと知れたお寺である。寺で大事なものの一つは経典である。これが信仰の指針となるものなので、なくては寺はなりたたない。信仰の柱となる経典は火災などで失いやすいので、写経生などを使って大量に書き写して複製する。その見本となる経典として唐から伝わった李元恵筆の細字法華経聖徳太子が所有していたものだとされる。太子所有かは分からないが、大陸から伝わった経典は日本仏教の始まりを知るには貴重な資料である。

レア★★☆
観たい★☆☆
コラボ★☆☆

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国宝拝観者たちの夢、千件越えをいつの間にか達成した。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標が完結した。 次の1100件は果てしなく遠いので、1050件を一区切りにしよう。