国宝を観る

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国宝を楽しむため、いろいろ書いています。 勉強不足でも観れば分かる。それが国宝だ。

太刀 銘康次

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九博の室町将軍展の目玉は等持院が所有する歴代の足利15代将軍木像が寺院外で初公開することだ。位牌や肖像画、単体の像を供養するために保管している寺院はあっても、歴代の将軍全ての木造座像を所有しているのは他にない。

そして、この木造座像のみ中央の定位置ではあるが撮影自由となっている。なかなか映えないおじさんの像ばかりではあるが、撮影はこの場所をおいてほかではできない。一定の距離があるので、少し望遠機能のあるカメラを持ち込むのがベストである。

さて、この座像は国宝ではない。その直前に展示している太刀が国宝である。ひとつは東博所有の名物大般若長光、そしてもうひとつは光ミュージアム所有の康次。まず、名物大般若は切れ味が鋭そうな太刀で、瀬戸内を思わせる優雅で綺麗な波紋が特徴である。それに対して康次は大般若より一回り長い刀で、荒々しい武士が使いそうな太刀である。この康次は織田信長から将軍の座を追われた室町幕府十五代将軍足利義昭が、力を借りようとして、薩摩の太守島津義久に贈ったもので、薩摩隼人にふさわしい風貌から選ばれたのかもしれない。

国宝拝観者たちの夢、それは千件越え。 毎年、国宝指定数が増えているので、容易にはなってきているものの、一つの目標である。 900件を超えた辺りから新規の拝見ペースが落ちているが、果たしていつ達成なるか。